多くの大学生にとって「就職活動で企業に評価される人材とは?」「どんなスキルがあると企業へのアピールになるのか?」を実際に考えはじめるのは、就職活動の1年前(大学3年生の頃)からではないでしょうか。
大学4年生の就活を経験した先輩から「就活に向けて早めに準備をした方がいい」と言われはじめ、就活に関連するセミナーに参加したり、書籍等から情報を集めはじめる時期でもあるでしょう。
しかし、就活準備のために何をすべきかを悩んでいるうちに、結局何もはじめられなかったり、逆に色々なことに挑戦しすぎてしまい、結局どれも身につかないことも決して少なくありません。
あるいは残された期間を見誤って、アピールできるほどのスキルを習得できるようになる前に就活を迎えてしまうことさえもあります。
実際に、就職を控える大学3年生からのこんなお悩み相談はありませんか?
【結論】大学3年生からでも身につけるべきは「英語力」!
大学生3年生が今からでも英語を学ぶべき3つの理由
大学3年生に英語の勉強をおすすめする理由 その1
1年間で企業から評価されるTOEICスコアの習得が可能
新卒採用を実施している企業の半数はTOEICのスコアを評価する
英語力を測る試験の1つである、TOEIC Listening & Reading Test(以下、TOEIC)のスコアを新卒採用時に評価指標の1つにしている企業がどのくらいあるかご存知でしょうか。
TOEICを実施・運営する国際ビジネスコミュニケーション協会の「英語活用実態調査2019」によれば、業界を問わず、おおよそ半数の企業がTOEICのスコアを新卒採用時の評価指標にしています。
英語教育・英語活用の実態調査とビジネスパーソンの職場での英語に対する意識についての調査(2019)」より
つまり、就職活動時に応募した企業のうち半数は、TOEICスコアを能力評価の判断材料とする可能性があるということです。
中途採用の転職活動とは異なり、様々な業界・業種の中から幅広く応募をする新卒の就職活動のスタイルを考えれば、英語力はその条件の中でも汎用性が高く、多くの企業から評価してもらえるスキルの1つだと見なすことができるでしょう。
多くの学生が誤解している「企業が求めるTOEICスコア」
多くの企業がTOEICスコアを英語力の有無の判断材料とすることはわかりましたが、具体的に企業が新卒社員に求めるTOEICスコアとは何点なのでしょうか。
「履歴書にかける最低レベルはTOEIC600点」で「TOEIC750点くらいでようやく評価される」と思っている学生も少なくありませんが、果たして本当に企業から評価されるTOEICのスコアとは、一体何点なのでしょうか。
TOEIC700点台は全受験者の上位3割
国際ビジネスコミュニケーション協会「TOEIC DATA & ANALYSIS 2020」の報告によれば、学生のみならず社会人も含めたTOEICの平均点で、TOEIC695点以上の点数を取得しているのは830,954人の全受験者のうち「上位3割」という結果がでています。
全受験者のうちの上位3割ですから、TOEIC700点台は、十分に上位層のスコアであると見なすことができるでしょう。
(2019年4月〜2020年3月のTOEICプログラムの公開テスト及びIPテストにおける実受験者のデータ)より
履歴書に書ける最低レベルといわれるTOEIC600点は、企業が社員に期待する平均スコアよりも高い!
次に、履歴書にかける最低レベルとも言われるTOEIC600点というスコアについて見てみましょう。
以下は、企業が新入・中途社員や部門の社員にそれぞれ期待するTOEICの平均スコアを表したものですが、新入社員に期待するスコアは「TOEIC535点」となっています。
また、この中でTOEIC600点以上のスコアが期待されているのは海外部門のみとなっているのが実情です。
※国際ビジネスコミュニケーション協会によるTOEIC(R) Programを活用している企業・団体における
英語教育・英語活用の実態調査とビジネスパーソンの職場での英語に対する意識についての調査(2019)より
一部にはTOEIC800点を新卒採用基準とするような企業もありますが、TOEIC600点であっても、上記のように企業からは問題なく評価されうるスコアであることがわかります。
今の英語力から目標の英語力に到達するまでの実現可能性を考えてみよう
これまでは、企業から評価してもらえるTOEICの点数についてお伝えしてきましたが、次に重要なことは、学生が目標とするTOEICスコアが就活までの1年間という限られた期間で実現可能であるかの点になります。
例えば、超初心者レベル(※1)の方がTOEIC800点を取れるようになるには、目安として2000〜2500時間程度の時間が必要になります。
1年間で2000〜2500時間を投下するということは、毎日6時間の勉強を1年間続けることを意味します。これは時間がある大学生であったとしても、至難の業といえるでしょう。
いざ英語の勉強を始めたとしても、現在の英語力から目指す目標が高すぎる場合には、上記のように学習負荷がかかりすぎてしまい、途中で挫折してしまう学生も決して少なくないのが実情になります。
※1)ここでいう英語超初心者レベルとは、中学英語の理解もできていない(例:一般動詞とbe動詞の違いもわからない)英語が大の苦手な人のレベルになります。
TOEIC600点は、英語が苦手な大学生でも1年間頑張れば取れるスコア
では、TOEIC600点ではどうでしょうか。TOEIC600点は、英語が大の苦手な大学生でも、1年間しっかりと勉強さえすれば現実的に取れるスコアになります。
英語の超初心者がTOEIC600点を越えるために必要な学習時間は、目安として1200〜1500時間程度です。
1200時間以上の学習時間を捻出するためには、1ヶ月で100時間、週あたり25時間程度の英語の学習を1年間継続する必要があります。毎日3.5時間程度の学習を目指し、長期休暇期間にもう少しだけ長く1日あたりの学習時間を取ることができれば、実はTOEIC600点は十分に達成できうるスコアなのです。
毎日の3.5時間の学習時間は通学の間や、大学の講義の間のちょっとしたスキマ時間を使っても、もちろんOKです。就寝の1時間前の時間や、スマートフォンを使う時間を減らすことができれば、案外すぐに3.5時間なら捻出できるのではないでしょうか。
もし仮に平日で2時間程度しか学習時間が取れない日があっても、土日で挽回することもできるでしょう。
本当に英語が苦手で中学英語もわからないレベルの学生でも、就職活動で評価されるTOEIC600点を、1年間勉強を続けることができれば取得できるというのは、十分に挑戦する価値があることなのではないでしょうか。
【大学就職課の方へ】 就活で評価される学生を大学3年生から 育成する方法(2)に続く
執筆者:WizWe教務部