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『ご存じですか?』企業の英語研修の効果測定について

作成者: owner|2020.8.20

社内英語研修を実施するにあたり担当者にとって必要なことは、それぞれの研修でどのぐらいの効果があったかを客観的に検証すること、そのbefore/afterの効果測定です。ここでは、それぞれの研修内容・フェーズによって、使い分けが可能な効果測定ツールをご紹介します。

多くの企業で導入されている効果測定

デファクトスタンダード - TOEIC®

まず英語研修成果のアセスメント(効果測定)において、デファクトスタンダード(事実上の標準)ともいえるのが、TOEICテスト®です。主に、ListeningReadingの力を試すL/Rが主流ですが、すでに多くの日本企業で取り入れられ、昇進要件や海外派遣要件としても採用されています。Speaking Writingの力を試すS/Wもありますが、一般的にはL/Rが使われるケースがほとんどです。TOEICを既に導入している他社の活用事例との比較や、2年ごとの受験更新が特徴であり、最も一般的な効果測定ツールといえます。英語力の基本である、語彙・文法、リスニング力の測定に適しています。

 

気軽に取り組める - CASEC

最近、企業での英語アセスメントとしてよく使われているのが、CASECテストです。社員がPC上で気軽に受験でき、通常のTOEIC®などの試験よりも受験時間が短く、受験負担が少ないことで知られています。研修の前後に使用することでbefore/afterを効果測定することが可能です。

 

4技能の効果測定ツール

今後主流となりそうな英語力測定ツールとしては、Speaking/Reading/Listening/Writingの4技能を測る検定試験が上げられます。主な試験としては、TOEFL/IELTS/英検(STEP:実用英語検定)などです。

 

米国留学の指標 - TOEFL

TOEFL(Test of English as a Foreign Language)は、アメリカのETSが作成している世界共通の英語テストで、4技能の力を測定します。主として北米・カナダへの留学の英語アセスメントとして使われています。

 

英国・EU等での留学・就労指標 - IELTS

IELTS(International English Language Testing System)とは、英語熟練度を測る英語検定の1つで、ケンブリッジ大学英語検定機構、ブリティッシュ・カウンシル、IDP Educationによって協同で運営されているテストです。現在では、アメリカ・イギリスを含む世界140ヶ国10,000機関が認定するテストで、EUを含む海外留学や海外移住、就労に最適な英語能力判定テストです。

 

ビジネス向けもある - 英検(実用英語検定試験)

英検は、年代を超えて最もよく知られた英語アセスメントでしょう。現在、英検協会では、主流となる5級~1級までの4技能の試験のみならず、企業向けにCASEC/TEAP/Linguaskill/Bulatzなどの検定試験の運用もしています。それぞれに特徴があり、特にCASEC /Linguaskillは企業での英語研修のbefore/afterを測定するツールとしてよく使われています。

 

スピーキングの効果測定

 

英語でのコミュニケーションが重視される社員には、以下のような試験に取り組んでもらうと良いでしょう。

 

スマホでも受験可能 - Versant®

Versant®は、スマホアプリで受験できるスピーキングテストです。世界的出版社であるピアソン社が開発しました。スマホを通して投げかけられた質問に対し回答すると、コンピューターデータベースで採点される仕組みです。精度が高く、TOEIC®800点越えをした社員に対して、次に英語の運用能力としてスピーキング力を測定するツールとして広く採用されています。結果が比較的速くわかる点も、有用性が高い理由といえます。

 

直接面談 - GBC

 GBC(Global Business Communication)は、ベルリッツ社が提供するスピーキングとコミュニケーション能力を測定する試験です。基本的にネイティブスピーカーとの直接面談の形式で実施されます。この試験は海外インターンシップのアセスメントとしてよく外資系企業などで採用されています。

ネイティブの面接官から仕事や家庭のことなど、様々な分野について質問が投げかけられ、その応答に対して評価がなされます。試験対策がほぼ不可能ということでも知られています。

 

以上、現在多くの企業で採用されている効果測定ツールをご紹介しました。社員の業務内容に合い、且つbefore/afterが測れるものという視点で選んでみてはいかがでしょうか。

 

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執筆者:竹村 和浩(たけむら かずひろ)
AllAboutビジネス英会話ガイド 担当テーマ:ビジネス英会話 
英語発音矯正士 ビジネス・ブレークスルー大学 英語専任講師 
英語通訳案内士/英語発音矯正とビジネス英語が専門。
㈱Universal Education代表取締役。   

 

日本人はなぜ、英語が苦手なのか?その原因が、正確な英語の音の未習得にあることを25年前に発見し、独自の音声指導法、EVT: English Voice Trainingを開発。英語発音矯正の草分け/第一人者として、音素トレーニングを中心とした発音矯正で日本人の英語スピーキング力の向上に尽力している。RMS:リクルートマネジメントスクール受講者満足度No.1講師。