【大学就職課の方へ】 就活で評価される学生を大学3年生から 育成する方法(1)に続き、就活前に悩んでいる大学3年生に伝えたい「限られた就職活動までの時間の中で、大学3年生が評価されるために身につけるべき力は何か」を解説していきます。

 

前回は、大学3年生からでも身につけるべきは「英語力」!を結論として、大学3年生に英語の勉強をおすすめする理由その1「1年間で企業から評価されるTOEICスコアの習得が可能」までをお伝えしました。今回はその2、その3をお届けします。

 

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【結論】大学3年生からでも身につけるべきは「英語力」!

3-Jun-10-2021-06-07-30-15-AM

 

 

大学生3年生が今からでも英語を学ぶべき3つの理由

 

4-Jun-10-2021-06-09-10-19-AM

 

大学3年生に英語の勉強をおすすめする理由 その2

面接時に必ず聞かれるガクチカで、英語の勉強を通じて企業側が求める人材像に近付こう

 

企業はなぜ「ガクチカ」を問うのか

 

就職面接の際に、必ずといっていいほど「学生時代に力をいれたこと(以下、ガクチカ)」が学生に対して問われます。

 

「ガクチカ」をなぜ聞くのかというと、1つのエピソードからでもその学生が持っている能力や考え方、性格、行動特性を十分に知ることができるからです。

 

中途採用の転職活動とは異なり、アルバイトやインターン活動以外にビジネスキャリアがない場合がほとんどの大学生に対して、最初から特定のスキルや資格、専門経験を求める企業はそこまで多くありません(法律や医学系、エンジニアなど専門職を除く)。

 

企業にとって、学生個人の能力や考え方、性格、行動特性の把握は、入社後のミスマッチを防ぐために重要ですが、この「ガクチカ」質問に苦手意識を持っている学生は少なくありません。

 

この「ガクチカ」質問を学生が攻略できるようにするため、以下ではまず企業が学生に対してどんな資質や能力を期待しているのかを考えてみましょう。

 

 

企業が学生に求める資質・能力の第1位は?

 

日本経済団体連合会の「高等教育に関するアンケート」によれば、文系・理系の大学生ともに「主体性」「実行力」「課題設定・解決能力」が上位を占めています。

 

学生が「ガクチカ」の回答に対して苦手意識を持っている場合には、「主体性」「実行力」「課題設定・解決能力」をキーワードにして、主に大学時代に力をいれて取り組んだ成功体験を話すことで、企業が求める人柄や能力をアピールしやすくなるでしょう。

 

9-2※日本経済団体連合会「高等教育に関するアンケート」(2017年12月8日~2018年2月8日の実施期間で、

経団連会員企業258社、地方別経済団体に加盟する経団連非会員企業185社の計443社から回答)より

 

 

ガクチカでPRできる成功体験がないから学生は困っている

 

ここで1つの大きな問題があります。大学時代の成功体験がない学生は、「ガクチカ」でPRできることがなく、評価されにくいのです。

 

大学での講義受講やアルバイト、サークルなどに日々の時間を使うことが多い大学生にとって、企業の採用担当者に胸を張って話せる成功体験エピソードはそう多くないものです。

 

また成功体験は一朝一夕に用意できるものではありませんので、大学3年生にとって重要なことは、1年間という限られた期間内で「主体性」「実行力」「課題設定/解決能力」を網羅できる「成功体験」を準備することなのです。

 

また、「実行力」や「課題設定・解決能力」をアピールするためには、ただ「プログラミングや英語の勉強を頑張りました」というエピソードだけでは当然不十分になります。

 

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頑張ったことを裏付けるためには、誰にでも明示的な「目標」をしっかり達成したことを伝える必要があります。

 

ここでは、企業などが目標を設定する際によく活用する「SMART」という考え方から、英語力向上の成功体験が「ガクチカ」に適しているのかをみていきます。

 

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1年間という時間的な制約があるなかで、TOEICスコアの取得は具体的かつ、測定可能なものになります。

 

また英語初心者であったとしても、1年間でTOEIC600点を取るのに必要な1200時間の学習時間の捻出も実現可能な範囲内になりますので、スコアの取得が達成さえできれば、企業にも説得力をもって伝えやすいエピソードになることでしょう。

 

 

英語学習を通じて、自己PRをしてみよう

 

あくまで一例ですが、「主体性」「実行力」「課題設定」のキーワードを元に英語学習で「ガクチカ」を考えてみると、このようになります。

 

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<課題設定>
・成功体験がなかった自分だったが、何か1つでも誇れる武器がほしかった。
・海外取引もあるメーカーの営業職を希望しているため、英語学習に力をいれることに。
・TOEIC290点からTOEIC600点を目指し、1年間で1200時間勉強する学習計画をたてる。

 

<実行力/主体性>
・勉強を続ける中で、1人ではモチベーションを維持をするのが難しいとわかったので、同じく英語を頑張りたい仲間を大学内で募り、チームリーダーとして定期勉強会を開催した。
・学習の進捗確認や週次での完了報告をし合うことで、最後まで脱落者を出さずに全員で1年間の学習をやり抜いた。
・毎日最低でも3時間以上の学習時間を守り続けて、最後にはTOEIC640点を取得した。

 

<今後への学び>
・スコア以上に毎日決めた学習計画に従い、1年間やり抜けたことが自信になった。
・将来的に海外の案件も扱える営業担当者になるため、半年以内にTOEIC700点のスコア取得と苦手としているスピーキング力の向上を目指し、今も学習を続けている。
・今回身につけた「毎日続ける」学習習慣は、入社後も様々なことに活かせると感じている。

 

 

このように、TOEIC600点取得の結果ももちろん大事ですが、その努力の過程こそ、学生が就活までに身につけるべき「成功体験」であり、就職活動では学生にとっての立派な武器になるのです。

 

 

大学3年生に英語の勉強をおすすめする理由 その3
入社後ライバルにも差をつけられる実用的なハードスキルである

 

大学3年生が英語を学ぶべき最後の理由は、入社後でも汎用性が非常に高いスキルであるため、英語ができることで将来的に対応できる案件や仕事領域を格段に広げることができるという点です。

 

実際に、入社時にはあまり英語を使わない部署に配属されたとしても、英語力さえあれば数年後には英語を日常的に使う部署に異動が決まるということも珍しいことではありません。

 

あるいは今は国内のみで事業を展開している企業でも、業績拡大などを見込んで、海外顧客との取引を行うといったこともあるかもしれません。英語ができることで、20代のうちにこれらの成長機会に参画できる可能性だって十分にあるでしょう。

 

 

企業が社員に不足していると感じている課題感の1位は「英語力」

 

国際ビジネスコミュニケーション協会の「英語活用実態調査2019」によれば、今後のビジネスパーソンにとって重要だと考える知識やスキルの1位として、82.6%の企業が「英語」と回答しています。

 

またここで注目すべきなのは、企業が社員や職員に不足している・今後強化する必要があると感じている課題感の1位も実は英語力であったという点です。

 

13※国際ビジネスコミュニケーション協会「TOEIC(R) Programを活用している企業・団体における

英語教育・英語活用の実態調査とビジネスパーソンの職場での英語に対する意識についての調査(2019)」より

 

 

「英語が必要になったら勉強する」という学生もいるかもしれませんが、同じく実態調査の報告によれば、社会人でも英語の学習を継続できている人は、4割にも満たないのです。

 

また、英語力によって差異はあるものの、社会人の英語学習者の平均学習時間は、「週に4時間以下」であることがわかっています。

 

14※国際ビジネスコミュニケーション協会「TOEIC(R) Programを活用している企業・団体における

英語教育・英語活用の実態調査とビジネスパーソンの職場での英語に対する意識についての調査(2019)」より

 

 

企業が社員に期待しているスキルの1位が英語であるにも関わらず、社員の英語習得が思うように進んでいないのは、見方を変えれば今まで「成功体験」をなかなか積むことができなかった学生にとって、今のうちから準備さえすれば、逆転ができるチャンスでもあります。

 

社会人になってからの成長機会を英語力不足で逃してしまったり、英語を必要とする部署への急な異動を前にして、「大学時代にもっと英語の勉強をしておけばよかった」と後悔することがないように、大学3年生こそ英語を学ぶべきなのです。

 

 

【おわりに】大学3年生から「就活で評価される人材」になるための1年間に

 

1年間という期間があれば、英語の勉強を通じて、企業から評価される英語力と大きな成功体験を手にすることだって決して不可能なことではありません。

 

本記事がみなさまの参考となれば幸いです。

 

 

【大学就職課の方へ】 就活で評価される学生を大学3年生から 育成する方法(1)

 

 

執筆者:WizWe教務部

 

 

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