導入インタビュー       私立大学 東京都

東洋学園大学

チームの完了率に差。学生に聞く「学習継続できた理由、できなかった理由」

導入プログラム概要

実施期間: 2020年10月17日~1月18日(3ヶ月)
学年: 3年生
対象レベル: TOEIC換算300~400点台
人数: 6人 (3名ずつの2チーム)
内容: スタディサプリ、オンライン英会話WiLLies English
成果:

・完了率56%(※目標レッスン数に対する、プログラム終了時点での達成率)
・CASEC TOEIC換算:平均44点up(327点⇒371点)
※最大140点up(285点⇒425点)

研修ご担当者様
東洋学園大学
現代経営学部 専任講師
石黒 順子様

■学生インタビュー~英語学習プログラム受講後の本音~

※学生様のお名前は全て仮名です。

「この英語プログラムには少し強制力もあるので、学習する環境を整えて、英語の勉強を続けていくことができるのではないか」

―Smart Habit for Schoolを受講した理由を教えてください。

 

森:こういう場面で英語を使いたい、TOEICで何点取りたいという目標はありませんでした。洋楽を聞くときに歌詞の内容を理解できたほうが面白いと思って、1年半ぐらい前にTOEICを受けようと勉強を始めたことがありました。結局そのままやらなくなってしまっていたのですが、そういった興味から手を挙げて受講しました。

清水:卒業後の進路として留学も視野に入れています。もともと英語を勉強しようとは思っていたのですが、なかなか実践できていませんでした。そんな時に、今ならプロジェクトの一員として参加することによって無料プログラムを受講できる、指定されて勉強するのではなく、個人で自由に進めていいと言われたので受講することにしました。

山田:ひと席空いているからやってみないかと言われて受講しましたが、自分も海外に行って英語で会話をしたいという思いもあったので、英語学習を習慣付けられたらいいなというのも理由としてありました。

高橋:紅茶の専門店を開業したいという夢があります。そのために英語を勉強できたらいいなと思っていたのですが、自分自身で英語の勉強をしようと思っても、今日は忙しいからいいかというように流されてしまうこともありました。この英語プログラムには少し強制力もあるので、英語を学習する環境を整えて、英語の勉強を続けていくことができるのではないかと思って受講しました。

― Smart Habit for Schoolを3ヵ月受講した感想を教えてください。

 

森:最初は毎日勉強することが簡単だと思っていました。でも、いろいろ言い訳してやらないことが多々ありました。結局、アプリのほうに全然力を入れられなくて、英会話もやってみたのですが、あまりにもしゃべれなくてちょっと怖かったです。なかなか新鮮な体験ができたなと思います。

清水:あまりにも勉強しない自分がいたのが分かりました。毎日を振り返ってみると、時間がないというのを言い訳にしてきたのが一番駄目だったのかなと思います。絶対に何時にやるという時間を設けたほうができたのかなという思いがありますね。今まで英語の勉強をしてこなかったのですが、する機会が増えたのはすごく良かったと思いました。個人的には英会話のほうが充実して、英語を話したいなと思えるきっかけになりました。

山田:1日数分でも続けられるだろうと思っていたのですが、なかなか習慣付けることが難しかったです。結果的に自分が一番勉強した時間が少なかったので、そこは後悔しています。しっかり続けていたらTOEICの評価がどれぐらい上がったのかというのを見てみたかったです。日本語を全く話さない英会話のレッスンは初めて受けたので、新しい体験ができて楽しかったです。

高橋:英会話は本当に日本語が全く通じないという状況なので、最初は行き詰まったりしました。でも、音読をしたり、英文を書いたり、あとはスタディサプリをコツコツ小まめにやっていたら、後半になっていくにつれて先生の英語が少し聞き取れるようになりました。まだ単語、単語の状態にはなってしまっているのですが、言いたいことを返せるようになってきたというのは実感できました。もっと英語力を伸ばしてみたいと思えるようなプログラムだったと思います。

「このステップに来たからこの次のステップにいこう、次のステップに来たらまた上のステップに行こうというように、どんどん成長していこうという意欲が保てました。」

―今回チームAとチームBの完了率に差が出ました。(チームA 完了率 21%/チームB 完了率 91%)チームBの高橋さん、どうして学習を継続できたのか教えてください。

 

高橋:目標があったのが大きかったです。自分は紅茶が好きで、いつかは紅茶のお店を持ちたいと思っています。現地に実際に行って新鮮な紅茶を仕入れたいので、シンハラ語と中国語を勉強しようと思ったのですが、最初にその言語を勉強するよりも、まず英語という世界で広く使える言語をしっかりと取得した上で、言語数を増やしていったほうがいいなと思いました。英語は将来的にも使える重要な言語なのでしっかり勉強したいというのもありました。

勉強していく中で、自分の成長が実感できなかったら途中で挫折してしまうこともあったかもしれないのですが、少しずつですが成長を感じることができたので、このステップに来たからこの次のステップにいこう、次のステップに来たらまた上のステップに行こうというように、どんどん成長していこうという意欲が保てました。モチベーションが保てたというのが大きいと思います。

― 時間、曜日など、スケジュールを決めて学習していましたか?

 

高橋:スタディサプリは、特にこの時間にやるというのは決めず、隙間時間にやっていました。自己学習に関しては、18時とか19時には必ずやる、少なくても20~30分ぐらいはやって、もし長く時間を取れそうなら1時間ぐらいやろうという感じでした。

― ステップを上がれていると実感したのはどんな時でしたか?

 

高橋:英会話で質問や会話の端々が少し聞き取れようになってきた時ですね。あとは、本を音読した時、日本語訳が浮かび上がるスピードが少しずつ速くなってきたのを実感した時、成長できていると感じられました。

― メンターとのコミュニケーションについて、意見や感想を教えてください。

 

清水:最初はメッセージが機械的だなと思ったのでそれをお伝えしたら、その後から寄り添ってくれるようなメッセージになりました。ちゃんと勉強時間を見てくれていると実感しました。勉強時間が少ないと「頑張りましょう」というようなメッセージが来たので、すごく良かったですね。メッセージが来るたびに、勉強しないとなと思えたので、これはすごく良かったですね。返信することはなかったのですが、質問系でいただけると返信できて会話ができたのかなと思いました。

山田:毎回、自分の学習時間を見てコメントをしてくださっていて、すごくやらなきゃという気持ちに駆られていました。定期的にそういったコメントはすごくありがたいなと思いました。

高橋:個人的には多過ぎず少な過ぎず、適度なコメントをいただけたと思います。私はなるべくチャットをいただいたら返すようにはしていました。それでも返答が難しいときもあるので、メンターと関係の構築をしやすい方法があったらいいかなと思いました。

― チーム制について何か感じたことありますか?

 

高橋:リーダーとしては一応、他の2人にアプローチをしました。2人ともタイプが違う子だなと思ったので、アプローチの仕方を考えたり、変えてみたりもしました。チームであることが重荷になり過ぎてもいけないかなと思いまして、チームということがメリットになるように、タイミングによって、例えば英会話がちょっと少なくなっているかもというようなことを軽く共有してみたり、英文法がこれくらいできたとか簡単なことを共有してみたり。正直チーム感は足りなかったなと思いますが、チームの良さもそれと同時に感じられるように頑張ることもできたので、恩恵は多少受けられたかなと思います。

― チームAのみなさんはチーム制についてはいかがでしたか?

 

清水:何もやってないリーダーだったと思いました。本当に申し訳ないくらい。最初はチーム戦だから勝ちたいという意欲がありました。でも、時間がなかったり、チームのメンバーも全然勉強していなかったり、そういうのを見たらやらなくてもいいかな、1人で頑張っても無理だなと思ってしまいました。自分のせいではありますが、波にのまれてしまいました。チームBはしっかりやっているので、どんどん差が生まれましたね。ただ、チーム制なので、英語のことをみんなで話す機会があったのは良かったです。話すことで、英語の勉強をしないといけないなと思えるようになります。

山田:チームで何か一つのことを一緒にやっていくという取り組みはすごくいいなって思っていました。ただ、チームとして機能していなかったですね。お互いを鼓舞するようなこともなかったの、もうちょっと工夫して、お互いに連絡を取り合いながら励まし合ったり、分からないところがあれば教え合ったりしていたら、もっと結果に出ていたのかなと改めて感じました。

 

■石黒先生インタビュー~プログラムを終えて~

プログラム終了後の課題|継続できた学生、できなかった学生の分かれ目を見極める

プログラムを継続できた学生とできなかった学生がいたようなので、その分かれ目がどこにあるのかの見極めが必要ですね。自分の中での優先順位の付け方や、英語への興味、関心の置き方の違いによるのかもしれません。

将来のキャリア、自分にとって英語を学習することのベネフィットが何なのかが明確なほど、より積極的に学習に取り組んでいるようです。大学3年生の彼らは、そろそろ就職活動の時期を迎えます。社会に出る準備を進めるなかで、語学力も含む、社会人に必要な力を改めて見直すことになるでしょう。そのようなタイミングですので、今回のプログラムを通じて社会のなかでいかに英語を活用するかを学生なりに考えてもらえるといいと思います。

チーム学習について|オンライン上でのチーム活動のメリット

プログラムを実施した2020年度は、コロナ禍の影響で、さまざまな活動が制約された時期でした。対面授業も行われましたが、感染リスクを考えるとグループワークを積極的に導入することが難しい状況でした。こうしたなかで、チーム制を活かしたこのプログラムでは、学生たちは仲間と協働してひとつの成果をあげることを体験できました。このようにオンラインでもチームで活動することができるということは、海外を含む多様な人との協働が可能であることを示しており、アフターコロナの時代になっても有効であるといえるでしょう。

プロジェクトに参加して|社会人との接点は学生にとって得難い経験

一番ありがたいと思ったのは、社会人の皆さんとお話しする機会を学生がいただけたことです。学生のなかには、普段接する社会人は親御さんや教員、アルバイト先の方などに限られるという者が少なくありません。今回のプロジェクトでメンターの方や海外に住む講師の方とコミュニケーションをする機会をいただけたことは、彼らにとっては得難い経験だったのではないかなと思っています。