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<企業向け英語研修>TOEIC®公式問題集だけの学習でスコアは上がる?

作成者: owner|2022.12.27

TOEIC®Listening & Reading Testの学習と言えば、公式問題集が思い浮かぶ人は多いでしょう。公式問題集とはTOEIC®問題を制作しているアメリカの巨大テスト制作機関であるETSが、実際のテストと同じプロセスで作成した問題を収録した書籍です。

 

スコアが上がる人、上がらない人

公式問題集を使った勉強をしていても、TOEIC®スコアが上がる人と上がらない人がいます。今回はスコアが上がる人、上がらない人のおおまかな傾向とその理由をお伝えします。

スコアが上がる人

・まだTOEIC学習経験が浅い人

・時間を測って問題を解く練習をする人

2時間通しで1つのテストに取り組める人

・自分なりの学習があり、TOEIC730点以上の人

 

スコアが上がらない人

・すでに何度もTOEICを受験した725点以下の人

・文法に苦手意識がある人

・理論的に理解したい人

・スキマ時間で勉強しようとしている人

 

上記の傾向がある理由は!?

<公式問題集が向いている時期と学習者タイプ>

公式問題集を使って学習する最大の利点は、問題が本番で出るものに極めてよく似ていることETSが本番用の問題も公式問題集の問題も作成しているので、当たり前ですよね。

「本物らしさ」のある問題を使って徹底的に練習をすることで伸ばしやすい力は問題形式へ慣れと時間配分力、スピード感です。あまりTOEIC®慣れしていないと、問題の解き方に慣れていなかったり、耳がリスニング音源のスピードに慣れていなかったり、リーディングの1時間の適切な使い方に慣れていなかったりして、本来の英語力を最大に発揮できていないことがあります。

そのため、TOEIC®学習を始めたばかりの人は、たくさんの問題を本番同様の時間配分で解いていくだけで、スコアが上がることが多いです。これは、英語力がついたというよりは、自分の力での最大スコアを叩き出しやすくなったという現象です。

反対に、すでに高得点を取っていて自分なりの学習方法がわかっている人は、間違えた問題について調べたり、ノートをまとめたりして、公式問題集を使うだけでも前に進んでいくことができます。本物に近い問題さえたくさんあれば、自分で学習を進めていける人には公式問題集での学習が非常に適しています。

 

<公式問題集+別の教材併用が向いている時期と学習者タイプ>

公式問題集は本番の問題によく似ているというメリットがある一方で、問題の解き方のコツや問題タイプ別の解き方のヒントなどは提示されていません。解説も極めてシンプルな内容にとどまっており、公式問題集1冊で「考え方や解き方を学ぶ」のは難しいです。そのため、すでに今の力を最大限に試験本番で発揮している人は公式問題集の練習「だけ」ではスコアアップが難しくなってきます。本質的に弱点強化をしていく必要があるためです。また、理屈で理解したい人には、公式問題集のような「練習の場を提供するのが主な目的」の教材での学習は物足りないかもしれません。

公式問題集を解いていると、「こういうタイプの問題はいつも間違えるな」という弱点が見つかります。「語彙力がない「文法力が足りない」「リスニングの文が聞き取れない」というおおまかなことしか自分ではわからないかもしれませんが、自分に足りていないことはなんとなくわかるでしょう。何かが足りないと感じているときは、弱点を細かく把握できて、その克服方法を提示してくれる別の教材を活用して、ステップアップアップが必要です。「何かが足りない」と感じる時点では問題を解き続けることが必要なのではなく、問題の正解が正解である理由と不正解が不正解である理由を「理解する時間」が必要なのです。

解説が丁寧な教材を活用してステップアップのために必要な「理解する時間」を作りましょう。今では書籍だけではなく、アプリやE-learning教材もあります。自分のレベルに合った教材を見つけて学びの時間を作ってください。

 

公式問題集との併用におすすめな教材

『TOEIC(R) L&Rテスト 究極の模試600問+』 ヒロ前田 著 (アルク)

この書籍内に丁寧な解説があるだけではなく、全ての問題に動画解説がついています。まるでアプリ学習やE-learning学習、またはオンラインスクールで授業を受けているような気分を味わえる教材です。自動採点サイトが利用可能、復習用コンテンツが充実など、非常にコストパフォーマンスが良いです。TOEIC公開テストと同じサイズになっているので、本番と同じ感覚で本を見て問題を解けるのも利点です。

 

まとめ

TOEIC®学習をしていて、伸び悩みを感じている場合は、

・解説が丁寧な他の教材で英語力の底上げを!

・公式問題集で本番同様の時間配分で問題を解く持久力を!

と考えて、引き続き上を目指していきましょう!

 

 

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執筆者:江藤 友佳(えとう ゆか)
Y.E.Dインターナショナル合同会社CEO 

クレアモントマッケナ大学卒業後コロンビア大学大学院ティーチャーズカレッジで修士号を取得。大学時代に故ピーター・ドラッカーの授業を受け、組織開発に興味を持ち、PwCコンサルティングに入社。HR部門への異動が叶わず、人材育成に関わることもできる研修業界へ転職を決意。株式会社アルクで教務主任として多くの教材作成や企業研修、教員研修を担当した後に、楽天で英語化プロジェクトのco-leaderとして社員教育に従事。英語教育事業部の立ち上げ支援後に独立し、現在は教材制作の下請けやアドバイザリーサービスを提供している。

著書:『ロジカルに伝わる英語プレゼンテーション』『英語の数字ルールブック』『ビジネス英語リーディングの技術

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