TOEIC学習者が、まず「楽に」対応できるようになるべき問題が品詞問題。品詞問題とは語尾が異なる単語が選択肢に並んでいる問題タイプです。

例えば、以下は全て冒頭がdifferです。このように、見た目が似ている4つの単語の中から、空欄に入るものを選びます。

(A) differ
(B) different
(C) difference
(D) differently

品詞問題はPart 5の30問中、7-8問出題されます。つまりPart 5の4分の1くらいはこの品詞問題であり、あくまでも大雑把な目安ではありますが、TOEICスコアに換算すると40-50点くらいに値します。

名詞・動詞・形容詞・副詞の使い方が問われている「だけ」なので、単語の意味がわからなくても解ける問題タイプです。空欄とその前後の単語の形から解くことができるので、TOEIC学習を始めたばかりの方はまずはこのタイプの問題を攻略しましょう

まずは語尾と品詞を覚える
TOEIC品詞問題1例外はあるものの、単語の語尾は品詞と密接な関係にあります。たとえ単語の意味がわからなくても、以下のように、語尾から品詞を判断することができるのです。

◆名詞
-tion / -sion (information, division)
-ment (enjoyment, encouragement)
-cy / -ty (efficiency, beauty)
-ness (completeness, darkness)
-ance / -ence (finance, competence)
-ee (employee, committee)

◆動詞
-ate (nominate, investigate)
-ize/-yze (characterize, analyze)
-en (widen, strengthen)
-fy (notify, qualify)

◆副詞
-ly (carefully, previously)

◆形容詞
-ful (successful, plentiful)
-able/-ible (sustainable, flexible)
-al (promotional, emotional)
-ant/-ent (important, convenient)
-ous/-ious (famous, spacious)
-tive/-sive (sensitive, expensive)
-y (funny, pretty)
-ic (academic, specific)
※形容詞は副詞のlyをとった形が多い。例: carefully(副詞)→ careful(形容詞) / conveniently(副詞)→ conveniently(形容詞)

学習をしているときには単語の意味も調べて理解すべきですが、TOEICの試験中には単語の意味は気にせずに、選択肢にある品詞を判断できるように練習しておきましょう。日頃からPart 5の練習問題は「まずは意味を見ないで品詞を判断する」ということを繰り返すことで、単語の意味がわからなくても、戸惑わずにPart 5の品詞問題に取り組めるようになってきます。もちろん正解したあとは単語の意味を把握し、覚えてくださいね。

品詞の前後の関係を覚える
TOEIC品詞問題2
品詞というのは文の中で特定の役割を担います。そして品詞は前後の単語との関係性によってその役割が判断できます。各品詞は以下の役割を担い、特定の場所に置かれます。

◆名詞
主語、目的語、そして補語の役割を担う。前置詞の後ろは名詞。また形容詞のあとにも名詞が入ることが多い。

◆動詞
述語になり、どの文型でも必要となる。(5文型のVは動詞)

◆形容詞
名詞を修飾する。つまり、主語、目的語、補語を修飾する。前からも後ろからも名詞を修飾できる。後ろから修飾するときはbe動詞が目印になる。
例: This book is useful.(this bookを後ろから修飾) / This is a useful book. (bookを前から修飾)

◆副詞
名詞以外を修飾する。そのため、文のさまざまなところに入る。文の要素(SVOC)にはならないので、その副詞がなくても文は成立する。
例: I am completely finished with the task. / I am finished with the task.
上記の文は共に成立。副詞のcompletelyは「完全に」タスクが終わった、という強調の役割を担っている。

品詞問題は10秒で解く
TOEIC品詞問題3上記のルールを念頭に置いて空欄の前後を見れば、文を全部読まずとも正解を導き出せます。

例:The management team is ------- considering whether to change the venue of the event, after hearing the news of a snowstorm approaching.
(A) care
(B) caring
(C) careful
(D) carefully

この解答は(D) carefullyです。The management team is ------- consideringまでを読んですぐに判断できます。ここまでで「経営陣は検討している」と文意が成り立っており、何もこの空欄に入れる必要はありません。あってもなくても良いのは副詞です。そして副詞はlyが語尾に付きますので、(D)が正解です。considering以降は何も読む必要がありませんので、読まないでください。

この解説には一度も「carefullyは慎重にという意味です」という表現がありませんでした。つまり単語の意味がわかってもわからなくてもこのように解くことができます。選択肢の単語の意味を知らないのに空欄の前後だけで答えがわかる問題で点数稼ぎができるのは、すごいことだと思いませんか?TOEIC学習を取り組み始めたばかりの方は、ぜひ空欄とその前後の単語の関係性から、まずはPart 5の品詞問題を全問正解できるように練習してください。

TOEIC対策書を書いているようなTOEIC講師は、3秒くらいでPart 5の品詞問題を解きます。さすがに「3秒で解け!」とは言いませんが、10秒で解きましょう。文を全て読む必要はないわけですからPart 5には時間をかけずに、どうしても時間がかかるPart 6とPart 7に時間をかけて読解問題を丁寧に解くように心がけましょう。そうすることで全体のスコアアップがはかれます。

 

 

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執筆者:江藤 友佳(えとう ゆか)
Y.E.Dインターナショナル合同会社CEO 

クレアモントマッケナ大学卒業後コロンビア大学大学院ティーチャーズカレッジで修士号を取得。大学時代に故ピーター・ドラッカーの授業を受け、組織開発に興味を持ち、PwCコンサルティングに入社。HR部門への異動が叶わず、人材育成に関わることもできる研修業界へ転職を決意。株式会社アルクで教務主任として多くの教材作成や企業研修、教員研修を担当した後に、楽天で英語化プロジェクトのco-leaderとして社員教育に従事。英語教育事業部の立ち上げ支援後に独立し、現在は教材制作の下請けやアドバイザリーサービスを提供している。

著書:『ロジカルに伝わる英語プレゼンテーション』『英語の数字ルールブック』『ビジネス英語リーディングの技術

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