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<企業向け英語研修>海外駐在で必要な力は英語力+αの力

作成者: owner|2023.2.28

英語力があまり高くなくても海外で活躍する人がいる一方で、英語力が高くても海外で活躍しづらい人もいるという事実は多くの方がご存知のようです。これは、つまり英語力のみで海外での活躍度合いは測れないということです。あたりまえに聞こえますよね?

では、どういった力があると海外で活躍しやすいのか、私がいるアメリカにおいて駐在員の方や移住した方からよく聞くお話を元に考えてみました。

アメリカ在住者が思う「うまくやっていくために必要な力」



その1. 授業で教えてくれない英語

話を聞くと全ての人が、「日本で学んだ英語とちょっと違う……」という場面に遭遇することが多いと言います。例えば、ビジネス英語研修で電話の応答、会議の進め方などの表現を学んでも、実際に使われている表現の範囲のほうがより広く、戸惑ってしまうことが多いようです。

先日、私が電話で問い合わせを入れたときにも「こういう場面のことか」と思う出来事がありました。私はある商品の追加購入について電話で問い合わせを入れたのですが、I will need your information, including your credit card number. If you’re OK with that, let’s fire away. と言われました。

冒頭のI will need your information, including your credit card number.「クレジットカード番号を含む(個人)情報が必要です」はビジネス英語のやり取り練習のロールプレイスクリプトに入っていそうな内容です。しかし、そのあとには教材であればWould that be OK?「問題ありませんでしょうか」といった表現が使われていることが多いように思います。

ところがIf you’re OK with that, let’s fire away.「問題なければ、どんどん話しましょう(どんどん進めましょう)」と言われたわけです。こういったことは、英語表現をより多く学んでいけば理解力も増していきますので、さまざまな表現に出会う回数が増えることで解決できるでしょう。

その2. 文化・ものごとの進め方に関する背景知識

「英語そのものはわかる気がするけど、それでもよくわからない……」「なんでそうなるのかわからない」ということもよく起こります。これは文化的な考え方やさまざまな制度がよくわからないからです。

例えば、お子さんのいる駐在員の方が初年度に戸惑うのがお子さんの学校行事の「〇〇マラソン」(例:read-a-thon, 5km marathonなど)。お知らせを見て、「お金を持ってくるように」と書いてあることが理解できても、その理由がわからないから自分の読解力を疑ってしまうということがあります。

実は、アメリカではfundraiser(学校への寄付金集め)のためにこういった行事をすることが多いのです。子供たちががんばるので、そのがんばりを応援していることを示すために、まわりの大人たちがその子に寄付金を渡して、子供たちがその寄付金を学校に提出します。こういったことは異文化理解研修や赴任前研修などを受けることで、心の準備ができます。

その3. いい意味での鈍感力

異文化の中で生活していると、今までの常識が通用せずに「このやりとり、ストレスだ~」と感じることも多いでしょう。例えば、配送物が時間どおりに届かないので電話をして配達をお願いしたとしましょう。それでも、結局来てくれなかったので、また電話をすることがあります。そして事情を再度話しても「あなたが家にいなかったのが悪いのでは?」「いや、そもそも来てないんですよ。防犯カメラ映像を見たら絶対に来ていないことがわかります」と再主張をしないといけない、といったことが起きたりするわけです。

こういったことでストレスを溜めすぎると海外生活は困難です。郷に入っては郷に従え。日本のサービスレベルは世界最高レベルです。海外ではものごとが予定どおりにうまくいかないことがあってもイライラしない、そして何かイヤなことを言われても気にしない鈍感力が役立つようです。

海外赴任前研修などではどうしても語学面にばかり目がいきがちですが、実はそれ以外の要素も海外生活の成果に大きく影響します。海外に出る前には語学に加えて、様々な考え方に触れて、自身の柔軟性を高めると良いでしょう。

 

 

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執筆者:江藤 友佳(えとう ゆか)
Y.E.Dインターナショナル合同会社CEO 

クレアモントマッケナ大学卒業後コロンビア大学大学院ティーチャーズカレッジで修士号を取得。大学時代に故ピーター・ドラッカーの授業を受け、組織開発に興味を持ち、PwCコンサルティングに入社。HR部門への異動が叶わず、人材育成に関わることもできる研修業界へ転職を決意。株式会社アルクで教務主任として多くの教材作成や企業研修、教員研修を担当した後に、楽天で英語化プロジェクトのco-leaderとして社員教育に従事。英語教育事業部の立ち上げ支援後に独立し、現在は教材制作の下請けやアドバイザリーサービスを提供している。

著書:『ロジカルに伝わる英語プレゼンテーション』『英語の数字ルールブック』『ビジネス英語リーディングの技術

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