今回から2回にわたり、さまざまな中国語能力検定試験の最新状況についてお話します。現在国内で受験できる主な中国語検定には、HSK、中国語検定(中検)、TECC、B-TECC、YCT、BCT、中全国通訳案内士試験、国語翻訳能力検定試験などがありますが、今回は一般的な能力検定のみを扱い、全国通訳案内士試験中国語翻訳能力検定試験については割愛いたします。

HSK
中国政府が公認し、孔子学院総部/国家漢弁によって運営させる検定試験です。検定レベルは6段階に分かれ、それぞれCEFRに対応した構成となっています。HSKは実用的なコミュニケーション能力に焦点があてられており、中国への留学のみならず、国内外の企業でも広く取り入れられている試験で、アジア圏での留学や転職用に国際的な資格として使えるという強みがあります。

レベルは1級から始まり、6級が最上位となります。下記はCEFRとの対応表です。

級

試験は個人受験と団体受験(企業・学校)があり、個人受験は毎月実施されます。個人受験は指定の書店で願書を取り寄せるか、直接ネットからし込めます。

筆記試験の受験料はそれぞれ

受験料

となっています(2021年7月現在)。

筆記試験

test_shiken_woman

 

では各レベル別に詳細を見ていきましょう。


◆1級
150語程度の常用単語と文法知識を習得しているレベルです。大学の第二外国語として前期履修したレベルです。1級の試験は全てマークシート方式で、聴き取り、読解の配点はそれぞれ100点で、合計200点で評価されます。全パートのトータルで6割(120点)以上のスコアが合格基準です。時間配分、問題数、内容は次の通りです。

<聴き取り:15分 20問>
・正誤問題
・写真選択問題
・短文内容の質問

<読解:17分 20問>
・写真正誤問題
・写真選択問題
・疑問・返答問題
・空所補充問題


◆2級 
300語程度の常用単語と文法知識を習得しているレベルです。大学の第二外国語として1年程度履修したレベルに相当します。2級の試験も全てマークシート方式で、聴き取り、読解の配点はそれぞれ100点で、合計200点で評価されます。全パートのトータルで6割(120点)以上のスコアが合格基準です。時間配分、問題数、内容は次の通りです。

<聴き取り:25分 35問>
・正誤問題
・写真選択問題
・会話内容に関する質問

<読解:22分 25問>
・写真正誤問題
・空所補充問題
・正誤問題


◆3級 
600語程度の常用単語と文法知識を習得しているレベルです。大学の第二外国語として1年半程度履修したレベルに相当します。3級からは作文が加わります。3級では聴き取りと読解がマークシート方式で、作文は記述式になります。聴き取り、読解、作文の配点はそれぞれ100点で、合計300点で評価されます。全パートのトータルで6割(180点)以上のスコアが合格基準です。時間配分、問題数、内容は次の通りです。

<聴き取り:35分 20問>
・写真選択問題
・正誤問題
・会話内容に関する質問

<読解:30分 30問>
・文の組み合わせ問題
・空所補充問題
・文内容に関する問題

<作文:15分 10問>
・語句並べ替え問題
・空所補充問題


◆4級
1200語程度の語彙を習得しているレベルです。大学の第二外国語として2年程度履修したレベルに相当します。4級では聴き取りと読解がマークシート方式で、作文は記述式になります。聴き取り、読解、作文の配点はそれぞれ100点で、合計300点で評価されます。全パートのトータルで6割(180点)以上のスコアが合格基準です。時間配分、問題数、内容は次の通りです。

<聴き取り:30分 45問>
・正誤問題
・会話内容に関する質問
・会話や短文内容に関する質問

<読解:40分 40問>
・空所補充問題
・短文並べ替え問題
・文内容に関する問題

<作文:25分 10問>
・語句並べ替え問題
・作文問題


◆5級 
2500語程度の語彙を習得しているレベルです。大学の第二外国語として2年以上履修したレベルに相当します。5級では聴き取りと読解がマークシート方式で、作文は記述式になります。聴き取り、読解、作文の配点はそれぞれ100点で、合計300点で評価されます。全パートのトータルで6割(180点)以上のスコアが合格基準です。時間配分、問題数、内容は次の通りです。

<聴き取り:30分 45問>
・会話内容に関する質問
・会話や文に関する質問

<読解:45分 45問>
・空所補充問題
・文内容に関する問題
・長文読解問題

<作文:40分 10問>
・語句並べ替え問題
・80字程度の作文問題2題


◆6級 
5000語程度の語彙を習得しているレベルです。6級では聴き取りと読解がマークシート方式で、作文は記述式になります。聴き取り、読解、作文の配点はそれぞれ100点で、合計300点で評価されます。全パートのトータルで6割(180点)以上のスコアが合格基準です。時間配分、問題数、内容は次の通りです。

<聴き取り:35分 45問>
・文内容に関する質問
・会話内容に関する質問
・長文内容に関する質問

<読解:50分 50問>
・文法間違えを選ぶ問題
・長文読解問題

<作文:黙読10分・作文35分 1問>
・要約問題

 

口頭試験(口試)

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HSKでは筆記試験のほかに会話能力を測る口頭試験(口試)も受験できます。口頭試験は初級、中級、上級の3レベルで、初級は200語程度の常用後を習得し、履修歴半年から1年程度を対象としています。中級は3000語程度の常用語彙を習得し、履修歴1から2年程度の人を対象としています。高級は3000語程度の常用語彙を習得し、履修歴2年以上の人を対象としています。合格基準はいずれもレベルも100満点中6割以上です。テスト形式は各級とも録音方式が採られています。

◆初級
問題数は全27問、放送はすべて中国語です。問題内容は復唱、聴き取り、読み取り(書かれた問題に対する返答)です。


◆中級
問題数は全14問、放送はすべて中国語です。問題内容は復唱、絵の説明、読み取りです。


◆高級
問題数は全6問、放送はすべて中国語です。問題内容は要約、朗読、読み取りです。


HSKの特徴として、まずこの試験が日本人だけでなく非漢字圏の人たちも対象としているため、日本人にとって読解のパートは有利になる可能性が挙げられます。HSKはあくまで実用的なコミュニケーション能力に焦点を絞ったテストなので、みっちり知識を問うような日本の受験的(?)なテストよりも難易度が多少低くなると思われます。実際対照的なのは中国語検定で、このテストはオールラウンドな知識を問う構成になっているため、日本人独特の間違えや知識の穴を突いてくる問題が多い分、HSKよりも難易度が高くなると思われます。これは実用コミュニケーション能力を問うTOEICとオールラウンドな知識と技能を問う英検(特に1級)との違いと似ている気がします。



中国語検定試験の最新状況 Part2につづく。

・どの中国語を学べばよいのか?それぞれの違いと特徴

中国語試験(HSK、中国語検定、TECC)比較 ~ビジネスに必要なレベルとは?~

 

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