課題としては大きく二つありました。まず一つは、ある一定の従業員については英語に慣れ親しむ環境になく英語学習の習慣が定着してないという点です。もう一つは、新型コロナウイルスの影響により新入社員が在宅勤務を強いられる状況になってしまい、その期間中は直接対面で新入社員をケアできる時間が限られてしまうという課題がありました。
一つ目に関してですが、弊社は部署によっては会社の中で英語を使う機会が多くない従業員もおります。例えば、顧客は世界中におりますので、海外営業のメンバーなどは頻繁に英語を使用する機会がありますが、現在のところ社内に外国人の役員も管理職もいないため、社内の意思決定に英語を使う機会は多くありません。そのような背景もあり、これまで様々な英語施策を実行してきましたが、学習頻度や個々の意欲の向上などの成果に結びつけることに苦慮してきました。
一方で将来を見据えた時、海外の大学や研究機関と共同研究開発を行ったり、海外拠点の従業員との研修や技術交流に携わるなど、多様な国々の方とコミュニケーションを図ることがビジネス上避けては通れません。現時点では差し迫って英語を必要としていない従業員も今から英語学習の習慣をつけておかないと必要となったときに間に合わないのではないか、という危機感を人事部は持っていました。
二つ目に関しては、新型コロナウイルス感染症拡大による緊急事態宣言下の新入社員研修はオンラインで実施したため、新入社員同士や人事部とのコミュニケーションが不足するのではないか、という懸念がありました。WEB形式の研修ではフェイス・トゥ・フェイスのコミュニケーションはできませんし、もちろん飲み会のようなコミュニケーションもできません。また、例年では5月から各配属先で本格的にOJTをスタートさせますが、緊急事態宣言下では、職場に配属されても先輩社員、新入社員共に在宅勤務になります。まだ仕事を知らない新入社員を在宅勤務の状態で各職場がフォローしていくのは非常に難しいことが容易に想像され、人事部としても時間を有効に活用するには職場をどうフォローすべきか、頭を悩ませていました。