英語教材の活用法~辞書を使って学習効果アップ~ Part 1では単語学習の重要なステップとして、「例文をたくさん読んで、単語が使われている感覚を養うこと」についてお伝えしました。
例文をたくさん学ぶのに適しているのが、無料で使えるウェブ辞書のWeblioです。Weblioには例文や表現フレーズがかなりの数掲載されていますので、まずはそれらを確認して、用法感覚を掴みましょう。たくさんの文を読んで、使われる場面やニュアンスが徐々にわかってきたら、次のステップである「単語を使う」に進みましょう。感覚が掴めてきたら、本当に理解しているかを試すためにライティングやスピーキングに取り組みながら、単語を何度も使ってみることが定着に役立ちます。
単語を差し替えて、キーワードを使った文を作りましょう。例えば、contain という単語を例にとります。Weblioの例文一覧にこの文があります。
The composition can further contain vitamins and minerals.
該組成物はさらにビタミン及び鉱物を含むこともできる。 - 特許庁
(1) まずは不要な単語を省いて、一番シンプルな形に書き換えます。
The composition can contain vitamins.
furtherとand mineralsを省くことで、A can contain B.という文の形になりました。
(2) この構文で文を作ります。AとBの単語がどんどん思い浮かぶ場合は、オリジナル例文をたくさん作りましょう。どうしても思い浮かばない場合は、AまたはBを含めたGoogle検索をします。”can contain vitamins”とクオテーションマークを付けて検索をかけると、このフレーズが連続して含まれる文のみが表示されます。
Dietary supplements can contain vitamins.
Whole grains can contain vitamins.
といった文がたくさん出てきます。このような形で例文を集めていき、使い方のデータベースを頭の中に作っていきましょう。
自分が作った文が正しいかを確認しましょう。
<費用をかけない確認>
費用をかけずに確認する方法の王道はインターネット検索。自分の作った文にクオテーションマークを付けて、Googleで「完全一致検索」をかけましょう。ネイティブのウェブサイトにそのような表記があれば、適切な文の可能性が高いです。もし日本のウェブサイトや別の言語のウェブサイトばかりが出てきたら、それはよくあるノンネイティブの間違いかもしれません。Step 1に戻り、文を作り直して、再度検索をかけましょう。また、どこまでが適切でどこに間違いがあるのかを判断するためには、クオテーションマークの範囲を変えていきます。例えば、
Stone can contain minerals.
の文を検索してもヒットしません。”can contain minerals”のみで検索をかけると
Rocks can contain minerals.
の文はヒットします。つまり、「石」という表現はstoneではなくrockのほうが一般的であることがわかります。
このように、例文を作っていくことで、本来学ぼうとうしている単語以外にも知識が身につくのがこの活動のよいところです。
<費用をかけた確認>
WizWeの研修プランSmart Habitビジネスライティング総合コースにも含まれている英文添削アイディーでは、作成した英作文の添削を受けることができます。作った例文の精度を確認したい人は「持ち込み英文」で原稿入稿をしてみてください。英語コメントを問題なく読めそうな中級者以上は「ネイティブ」による「学べる添削」を選択することをおすすめします。「学べる添削」ではどのように用法が違うのか、コメント付き添削を受けることができます。
講師にメッセージを書くこともできますので、
I’m working on using the word "contain". Please point out all errors and unnatural word usage.
とメモをすれば、丁寧に添削してくれるでしょう。
手元に正しい文が集まったら、それを元に文を展開して、もっと例文を増やしていきましょう。Wordファイルには類義語辞典が組み込まれていますので、単語を右クリックして類義語辞典を使い、単語を差し替えていきます。複数形のsを削除して単語の原型で検索をかけるとよりよい選択肢が提示されます。
Rocks can contain minerals.
に対して類義語辞典をひいていくとrockに対しては残念ながら、ぴったりと合った単語は提案されていません。containにはcompriseが出てきます。また、compriseを検索するとincludeやconsist ofも出てきます。mineralsにはmineral depositsが出てきてます。これからのことから以下の文が出来上がります。
・Rocks can consist of mineral deposits.
・Rocks can include minerals. など
必ずしも、類義語辞典は正確ではないので、判断が必要です。例えばcanは助動詞ではなく、名詞として認識されてしまい、缶の類義語である瓶が出てきてしまったりします。しかし、いくつかの単語を追加して活用していくことができますので、語彙力をあげていくことができる活動です。
せっかくきれいに整った文を作ったので、それらの文を話せるように練習しましょう。練習の仕方は以下のとおり。詳しくは音源のない教材を使ったスピーキング練習法の記事をご確認ください。
音声読み上げソフトを活用して、正しい発音を学びましょう。
↓
書いた文を何度も音読して正しくスラスラ言えるように練習しましょう。
↓
文字書き起こし機能で自分の発音が認識されるか確認しましょう。
みなさんが日本語を自然に習得しているのは何度も単語や表現に出会い、そして何度も使っているからです。単語は使えば使うほど覚えることができます!そして、使えば使うほど長期記憶に残ります。
積極的に語彙力アップのためのアクティビティに取り組み、表現力を身に着けましょう。
執筆者:江藤 友佳(えとう ゆか)
Y.E.Dインターナショナル合同会社CEO
クレアモントマッケナ大学卒業後コロンビア大学大学院ティーチャーズカレッジで修士号を取得。英語教授法について大学時代に故ピーター・ドラッカーの授業を受け、組織開発に興味を持ち、PwCコンサルティングに入社。SCM部門の配属からHR部門に異動できず、人材育成に関わることもできる研修業界へ転職を決意。株式会社アルクで教育教務主任として多くの教材作成や企業研修、教員研修を担当した後に、楽天様で英語化プロジェクトのco-leaderとして社員教育に従事。英語教育事業部の立ち上げ支援後に独立し、現在は教材制作の下請けやアドバイザリーサービスを提供している。
著書:『ロジカルに伝わる英語プレゼンテーション』『英語の数字ルールブック』
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■リーディングについて
・ネイティブのように前から情報を理解できる! スラッシュリーディング・スラッシュリスニング
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■スピーキングについて
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