英語のイントネーションには3つのパターンがあり、使うイントネーションで意味が異なります。つまり、イントネーションは英語のコミュニケーションにおいて非常に重要なのです。多くのスピーキングテストで音読タスクがありますが、そこでは発音のみならず、適切にイントネーションをつけているかも確認されています。適切なイントネーションでコミュニケーション力を高め、そしてそのコミュニケーション力をスピーキングテストで証明しましょう。
◆3つのイントネーションパターン英語には3つのイントネーションパターンがあります。それぞれ、使うタイミングが異なりますので、全てマスターしましょう。
1.上げ調子
上げ調子のイントネーションはYes/No疑問文と確認のための付加疑問文で主に使われます。
また、文の途中であることを示すように、文節の後のカンマや何かを列挙しているときに打たれるカンマの箇所、またはスラッシュリーディングでスラッシュを入れた意味のかたまりでも上げ調子で話すことがあります。特にアメリカ英語では、文中の上げ調子が頻出します。
<Yes/No疑問文例>
Do you need help? (↑)
手伝いが必要ですか。
<確認のための付加疑問文例>
You read that e-mail, didn’t you(↑)?
あのメール、読みましたよね?
<文節のあとのカンマと列挙のカンマ>
If you need help(↑), let me know.(↓)
手伝いが必要だったら、私に教えてください。
I talked to Ken(↑), Mark(↑), and Sarah already. (↓)
すでにケン、マーク、そしてセーラとは話しました。
This is not an easy task (↓). In other words (↑) , we need more time.
最後のIn other wordsの例のように、文頭に来る接続副詞や接続詞はアメリカ英語においては軽く上げ調子になることが多いので、自然な上げ幅で声を上下できるように練習しましょう。
2.下げ調子
下げ調子のイントネーションは肯定文、WH Question、そして皮肉や不満を述べるための付加疑問文に使われます。また、文として成立する場所にカンマがある場合は肯定文同様にカンマのところを下げ調子で言います。
<肯定文>
I need help (↓).
手伝いが必要です。
<WH Question>
What time is the meeting(↓)?
ミーティングは何時ですか。
<皮肉や不満を述べるための付加疑問文>
Kate was late to the meeting again(↓), wasn’t she(↓)?
またケイトが会議に遅刻したわけね。(ニュアンス:うんざり)
<文として切れる箇所のカンマ>
I want to leave around 3:00(↓), so let’s have our meeting in the morning(↓).
今日は3時頃に帰りたいので、午前中に会議をしましょう。
3.上がって下がる
選択肢の提示や、「~なんだけどね」などの含みを持たせる文は途中で上がって、次に下がるイントネーションを使います。「~なんだけどね」を示唆するのは口語表現であり、わざわざ何かを示唆したいときに使います。単刀直入に情報を伝達できるときにはあえて、このような話し方をする必要はありません。しかし、話し相手がイレギュラーなイントネーションであえて「~なんだけどね」を示唆していることに気づくためには、「上がって下がるイントネーション」の知識が必要です。
<選択肢の提示>
Would you like chocolate cake(↑)or cheesecake?(↓)
チョコレートケーキとチーズケーキ、どちらがいいいですか。
<「~なんだけどね」を示唆する>
He’s nice...(↑↓↑)
彼は優しんだけれど…(ニュアンス:恋愛対象には見れないわ。)
◆強力なツール youglish のご紹介
Versantのような音声認識システムを活用した自動採点テストでは、どれだけ発音やイントネーションが規範と近いかを判定しています。できるだけネイティブに近いイントネーションで話せることがスピーキングテストの高得点に繋がります。
イントネーションに迷ったら、youglishを活用しましょう。 >> https://youglish.com/
自分が聞きたい表現を検索バーに入れます。例えば、On the other handと打ち、アメリカ英語の人の英語を聞きたければUSをクリックします。動画下の ▶| をクリックすると、次から次へとyoutube動画のその表現の箇所を見ることができます。「このような場面ではこのようなイントネーション」ということを自分の中でデータベース化していき、自分でもふさわしいイントネーションで話せるようにリピートをして習得しましょう。
◆復習問題
これらの2つの文はイントネーションが違うので、意味が異なります。
コミュニケーションにおいて何を求められているのでしょうか。
It's raining again(↓), isn’t it(↑)?
It's raining again(↓), isn’t it(↓)?
答え:
It's raining again(↓), isn’t it(↑)? 今、雨が降っているんじゃないの?
求められていること: Yes/Noの答え。事実確認をしたい。
It's raining again(↓), isn’t it(↓)? また雨が降っているわけ?(ニュアンス:うんざり)
求められていること: 共感などの I know… when is it going to be sunny!? などの返し。
このように、正しいイントネーションを理解していること、そして自分も正しくイントネーションを付けられることがコミュニケーションを円滑にします。リスニング練習をするときに文の中の音の上げ下げに注目して真似ましょう。
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執筆者:江藤 友佳(えとう ゆか)
Y.E.Dインターナショナル合同会社CEO
クレアモントマッケナ大学卒業後コロンビア大学大学院ティーチャーズカレッジで修士号を取得。英語教授法について大学時代に故ピーター・ドラッカーの授業を受け、組織開発に興味を持ち、PwCコンサルティングに入社。SCM部門の配属からHR部門に異動できず、人材育成に関わることもできる研修業界へ転職を決意。株式会社アルクで教育教務主任として多くの教材作成や企業研修、教員研修を担当した後に、楽天様で英語化プロジェクトのco-leaderとして社員教育に従事。英語教育事業部の立ち上げ支援後に独立し、現在は教材制作の下請けやアドバイザリーサービスを提供している。