今日研修やスクーリングは、コロナパンデミックの影響もあり、続々とオンラインに切り替わっています。
 
eラーニングの代表的な領域であるMOOC(Massive Open Online Courses)は大規模公開オンライン講座として、かなり以前から世界各国で広く大学教育に取り入れられています。こうしたオンライン講座は、廉価ながら単位習得に一定の学費がかかり、かつ修了が単位習得の条件となっています。受講生にとっては、学習を継続するインセンティブが存在しているはずなのですが、ある統計によれば修了率は平均5~10%という低い数字が報告されています。これはどういうことでしょうか?

ここから分かることは、デジタル形式による学習方式は、仮に費用や単位取得がかかっていたとしても、それだけでは受講生にとって継続的な学習意欲を維持させる力として働かない、ということです。そのため、このプログラムのデジタル配信システムの外部、つまり運営部分に新たなモーチベーション維持のための要素を埋めこむ必要があると言えるでしょう。

モーチベーション維持のための4つの要素

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1.インタラクティブなコミュニケーションが取れる講師
人が何らかの学習作業を継続する場合、ともに学習する他者の存在が大きな意味を持ちます。その一つは講師です。プログラムの講師が単なるデジタルで放映される映像という「モノ」的領域を超え、たとえデジタル方式ではあっても、受講生個人の相談に乗ってくれたり、インタラクティブに語りかけてくる「ヒト」的な側面を持っていれば、受講生にとっても大きな励みになるでしょう。講師と個別にインタラクティブなコミュニケーションを取ることは学習という経験プロセスにおいても大きな意味を持つものです。

そのため、私のアドバイスとしては、講義映像を配信する以外に、開講前オリエンテーション、対面型集合研修、期間内のQ&Aレッスン、期間末のラップアップなどを設けるのが重要と考えられます。現在コロナ感染の懸念があるので、必ずしも対面型ではなくオンラインライブの形式を使えば容易に実現できると思います。

2.共に学習する仲間の存在
モーチベーション維持に欠かせないもう一つの重要な要素は、ともに学習する「仲間」の存在です。MOOCの修了率が芳しくないのは、大学授業という性質上、「講師による講義と課題 vs 個人の課題提出作業」という学習環境において、学習者が孤立しやすいことに原因があると思われます。もしこれが面識ある複数受講生との共同グループ作業であれば、孤立感が軽減されるとともに、互いに助け合う喜びを通じて学習の喜びを深めることができるでしょう。
 
では具体的にどういう方法が可能なのでしょうか?企業研修の場合、人事が受講生をグループや班ごとに指定するというやり方があります。そしてそのグループ内の各メンバー間で面識をもたせ、チームとしての一体感を高めたうえでプログラムを開始するとよいでしょう。グループ内で各個人には個別の役割を与える(例えば、発表担当や課題作成作業の役割分担など)、またグループ間で競わせるための課題を追加・実施・運営・管理するのも一つの方法です。

3.運営とサポート体制
三番目の要素として、運営とサポートの体制が重要になります。講義配信を数回見逃してしまった人は、たまってしまった夏休みの宿題と同じように「ああ、もうやりたくないなあ」という心理になりがちです。講義配信を見逃したら、それを適宜サポートし、アドバイスと励ましを与え、背中を押す運営体制が重要となります。課題提出についても提出履歴をしっかり管理し、十分なフィードバックを与える人員が必要となります。

4.達成感を感じさせる仕組づくり
最後の重要な要素は、受講生に達成感を感じさせる仕組みづくりです。これは毎回のレッスンユニットにおける達成感だけでなく、プログラムを完遂したことによる学習の達成感、そしてともに学び合った仲間同士から得た学びによる達成感です。例えば、異なる背景を持った仲間(日本人ばかりでなく外国人も含む)からこれまで自分になかった「気付き」を与えられれば、それは、その学習プログラム自体が本来想定していなかった「ボーナス」的な収穫を本人が得たということにもなるのです。

そしてこうした達成感や収穫を次世代の受講生候補者にフィードバックとして提供する仕組み作りも欠かせません。こうすることで、孤立しかかった受講生は、先輩のアドバイスとフィードバックを「方向を導く北極星」としながらモーチベーションを最後まで維持することができるようになるのです。

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