「成果の上がる英語研修プログラム」という言葉は非常に定義しづらいものがあります。ある人はそれを「いい講師がいるプログラムだ」と言うかもしれません。またほかの人は「それは内容がしっかりしているプログラムだ」と言うかもしれません。はたまた「しっかり管理されて入念に運営されているプログラムだ」という人もいるでしょう。

では「いい講師」、「いいプログラム」、「しっかしとした管理」とは何を指すのでしょうか?例えばハーバード大の先生を雇い、NHKに外注して作成してもらったプログラムを、1分1秒刻みの演出台本を作成して、それを厳密に守らせることが成果の上がる研修になるのでしょうか?こうしたやり方が必ずしもプログラムの成果に直結しないことは多くの人は直感的に分かるかと思います。そのため研修担当者(第一義的には人事担当者)としては、自分なりに「よいプログラム」の定義を追求しても、領域の幅が広すぎて、何をどう、どこまで絞り込んでよいか頭を悩ますことになります。

そこで今回は逆説的に「では成果の上がらないプログラムはどのようなものか」についてケース別に考えてみましょう。
成果の上がらないプログラムとは?

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<ケース1>
たまたま使える予算と時間枠の中で、それなりの研修を完遂することが至上命題になっている場合

このケースでは毎年実施するルーチンの遂行が目的化してしまっていることが多いようです。つまり「これまでのルーチンを単にこなす」というやり方です。その場合、プログラム自体のクオリティ(達成ゴールの厳密な設定と計測、受講生の学び体験、最適な方法論)などが二の次になり、手離れの良さ、上層部への報告のしやすさ(例えばTOEICテストによる最終テストスコアは客観的な「言い訳」にしやすい)だけで企画が進んでしまう危険性があります。

また非常に重要な勘案項目である各受講生のニーズ調査やインタビュー、個人的目標作りと動機付けをサポートするためのガイダンス、最適な方法論の検討などは無視されてしまうかもしれません。場所と時間枠と講師と教材と受講生を用意して、最初から決まっていた予算で運営と時間管理を徹底させる、という方法ではさしたる成果は期待できないかもしれません。

<ケース2>
新任企画運営担当者が、前任者が実施していた研修と違うものを実施し、前よりも優れた成果を出すことを重視しすぎる場合

このケースは企画担当者が張り切りすぎて、自分の独自性にこだわる場合に生じます。その場合、プログラム自体の設計やクオリティへの配慮が二の次になってしまう危険性があります。最悪の場合、前任者の行っていたせっかくのプログラムを止め、あまりよくないプログラムを導入してしまう場合です。または前任者のプログラムに手を加えすぎて改悪してしまう場合です。

企画担当者が外部に対して開かれたチャンネル(または言語教育の専門知識)を持っている場合は、専門業者をうまく使いこなしながらよいプログラムを作っていくことができます。しかし「英語=言語=誰でも話す=私も言語を話す」というようなシンプルな発想で企画を進めたり、「英語=英会話=英作文=英文法=英語コミュニケーション=グローバル力」のように目的と技能別の方法論を混同すると、「運営自体はうまくいったが、受講生からのアンケートは不評だった」という結果に陥りがちです。

<ケース3>
品質管理の発想をコミュニケーション研修に無理に適用する場合

TOEIC L&Rテスト用の基礎力充実プログラムでは、筋トレさながらの学習メニューをスケジュールに従ってこなさせるのが最も効果的です。しかし現在ニーズが高まりつつあるグローバルコミュニケーション力(スピーキング、ライティング、異文化間コミュニケーション技術など)を学ぶ場合、「時間管理、スケジュールの徹底、決められた学習分量の完遂、客観テストの実施」という形式だけではうまくいきません。むしろそれよりも学習者のコミュニケーション力のどういう側面が不足しており、そのためにはどのような学びと気付きが必要になるのか、という分析を十分に行い、それに基づいたプログラム構成を行うことが肝要です。

 

効果のある英語研修に必要な視点

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まとめて言うならば、効果ある英語研修を企画するには次の視点が必要になります。

1. 受講生のニーズ調査
2. 受講生に対する動機付けとオリエンテーションの実施
3. 業務という枠組みにおける研修意義の定義、そして目標設定とその妥当性の検討
4. 目標達成のための最適な方法論、教材、講師の選定
5. 4を達成する上で必要な期間、時間数、クラス人数などの検討
6. 適切な効果測定方法の検討(TOEIC L&Rテストは万能ではない点に注意)
7. 運営、管理、サポートの体制、およびそのためのリソースの有無の検討(予算を含む)
8. 上記項目を実施する上でサポートサービスを提供できる十分な専門知識と技術を持つ外部業者の選定

英語研修の良し悪しは、一元的に決まるものではなく、業務能力を見据えながら研修目的、リソース、運営体制について、専門業者とコミュニケーションを密に測り共同作業を行いながらプログラムを作り上げていくかどうかによって大きく左右されると言えるでしょう。


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