アメリカ労働省が行っている調査によると、2022年時点のアメリカのフリーランス人口は7040万人で、全労働者人口の36%を占めているそうです。フリーランス人口の割合は高学歴になるほど高くなり、大学院卒業以上の学歴を持つ労働者の51%がフリーランスです。フリーランスという働き方が年々普通になっていくアメリカですが、アメリカでもっとも稼げるフリーランス職は何でしょうか。転職情報サイトGlassdoorがまとめた情報をご紹介します(順不同)。

 

アメリカでもっとも稼げるフリーランス職

 

writer

・ライター(Freelance writer)
Glassdoorによると、アメリカのフリーランスのライターの平均収入は96,000ドル(約1,344万円、1ドル140円で計算、以下同じ)です。日本でもフリーランスのライターが増えてきていますが、1,344万円を稼ぐライターは少ないと思われます。アメリカのライターの収入は日本のライターの収入よりもはるかに高収入です。またライターの中でも、特に専門性が高い技術系のライターや医療系のライターの収入が高いようです。一般的には、何でも書けることを標ぼうする「ジェネラルライター」の収入は低くなる傾向にあるようです。

・バーチャルアシスタント(Virtual assistant)
バーチャルアシスタントとは、在宅でクライアントをアシストする仕事です。アシストする内容はソーシャルメディアのアカウント管理、ミーティングのスケジュール調整、メールや電話への対応、出張の手配等々です。日本でも最近バーチャル秘書が増えてきていますが、それと同じような仕事かも知れません。バーチャルアシスタントは通常時給で仕事をしますが、平均時給額は15ドル(約2,100円)から22ドル(約3,080円)だそうです。それほど高額な印象は受けませんが、仕事の自由度が高いのがメリットのようです。

・グラフィックデザイナー(Graphic designer)
広告クリエイティブ制作、ロゴデザイン、ホームページ用グラフィックパーツ作成等々、グラフィックデザイナーに対するニーズは膨大です。特にスキルと実績が豊富なグラフィックデザイナーは相応に稼ぐ人が多いようです。人気グラフィックデザイナーの中には、アメリカ国外からも仕事を請けている人もいるようです。Glassdoorによると、グラフィックデザイナーの平均収入は49,000ドル(約686万円)で、稼ぐグラフィックデザイナーの時給は100ドル(約14,000円)以上にもなるそうです。

・ソフトウェア開発者(Software developer)
IT大国アメリカでは、個人で仕事を請け負うフリーランスのソフトウェア開発者が増加しています。慢性的な人材不足により、フリーランスのソフトウェア開発者の時給がうなぎ登りになっています。Googleを辞めてフリーランスのソフトウェア開発者になり、収入が倍になった人の話が話題になったりしています。ソフトウェア開発者の世界でも、専門性やスキル、実績などで収入に差が出るようです。フリーランスのソフトウェア開発者の平均収入は112,238ドル(約1,571万円)で、稼ぐ人はもっと稼いでいるそうです。

・パブリックリレーションズマネージャー(Public relations manager)
パブリックリレーションズマネージャーとは、企業とメディアとの間に立ちコミュニケーションを図る仕事です。通常はプレスリリースの作成と発信、記者会見のセッティング、ソーシャルメディアでの情報発信などの仕事を行います。アメリカでは、特に中小企業において、パブリックリレーションズの仕事が出来る人材が不足しています。フリーランスのパブリックリレーションズマネージャーの平均収入は94,363ドル(約1,321万円)です。

 

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・デジタルマーケティングスペシャリスト(Digital marketing specialist)
デジタルマーケティングスペシャリストとは、インターネット広告やソーシャルメディア広告などを使ったマーケティングの策定と実行を担うスペシャリストです。特に最近はインターネット広告の種類が増え、内容も複雑になってきているので、対応できる人材が不足しています。特にテクノロジー、医療、金融、法律などの領域においてデジタルマーケティングスペシャリストが不足しています。フリーランスのデジタルマーケティングスペシャリストの平均収入は68,767ドル(約963万円)です。

・エディター(Editor)
文章のグラマーやスペルをチェックし、全体構成を編集するエディターに対するニーズも高まってきています。エディターはまた、本のヘッドラインやサブヘッドラインを考えたり、キャプションをつけたりといった細かい仕事も行います。ブログなどの文章のエディットに加え、企業ホームページのテキストをエディットしたりすることもあります。優秀なフリーランスのエディターの収入は114,000ドル(約1,596万円)にも達します。

・声優(Voice over actor)
YouTubeで情報発信をする企業が増加するのに伴い、動画コンテンツに声を吹き込む声優に対するニーズが高まってきています。また、動画コマーシャル、オーディオブック、ポッドキャスト、ビデオゲームなどでも声優に対するニーズが存在します。そして、実際にフリーランスの声優としてそうした動画コンテンツに自分の声を提供する人が増加しています。Glassdoorによると、フリーランスの声優の平均収入は80,000ドル(約1,120万円)だそうです。

・公認会計士(Certified public accountant)
アメリカの公認会計士の多くは、公認会計士事務所に所属し、サラリーマンとして公認会計士の仕事をしています。一方、最近は企業や個人から仕事を請け負うフリーランスの公認会計士が増えてきています。また、最近は通常の会計の仕事に加え、クライアントにファイナンスや投資のアドバイスなどを行う公認会計士も増えてきています。フリーランスの公認会計士の平均収入は60,521ドル(約847万円)です。

まとめ


2534274以上、アメリカの稼げるフリーランス職についてご紹介しました。どの仕事もそうですが、専門性が高く、かつ人材ニーズが大きい仕事が稼げる仕事であるようです。例えば、最近はAI(人工知能)のスペシャリストが取り合いになっていて、報酬額も青天井になっているようです。これからフリーランスを目指す方は、そのような他人が真似できないスキルや専門性を身につけるよう頑張って下さい。

(参照)
https://beincrypto.com/learn/highest-paying-freelance-jobs/

https://www.zippia.com/advice/how-many-freelancers-in-the-us/#:~:text=There%20are%2070.4%20million%20freelancers,consisted%20of%20164.3%20million%20people.

 

 

 

maeda002著者:前田 健二(まえだ・けんじ)
株式会社ジェイシーズ上席執行役員・北米担当コンサルタント

大学卒業と同時に渡米し、ロサンゼルスで外食ビジネスを立ち上げる。帰国後は複数のベンチャー企業のスタートアップ、経営に携わり、2001年に経営コンサルタントとして独立。事業再生、新規事業立上げ、アメリカ市場開拓のコンサルティングを行っている。アメリカ在住通算七年で、現在も現地の最新情報を取得し、各種メディアで発信している。米国でベストセラーとなった名著『インバウンドマーケティング』(すばる舎リンケージ)の翻訳者。明治学院大学経済学部経営学科博士課程修了、経営学修士。

 

株式会社ジェイシーズ  https://j-seeds.jp/

連絡先:contact@j-seeds.jp 

 

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