企業の英語研修から脱落してしまう人には、大きくわけて、3つのパターンがあります。

①伸び悩み
②空白の時間
③劣等感

この3つの障壁を克服し英語学習を継続させるにはどうすればよいか、その方法をご紹介します

 

英語研修からの脱落の原因

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企業の英語研修に参加したものの、徐々に出席回数が減り、最後は来なくなってしまった社員。あるいは、出席はしているものの、ついて行けなくなってしまった社員。英語以外の社内研修や企業研修でも見られることかもしれませんが、英語研修ではその傾向がとくに顕著なようです。

そのような参加者をいかにしてつなぎ止めるかを考えるには、まずはその原因から探ることが大切です。よくあるパターンとしては、①伸び悩み、②空白の時間、③劣等感があげられます。

①伸び悩み

英語を学習するときに誰もが経験するのが伸び悩みです。英語を習慣化して継続的に学習を進めている人でも、壁に突き当たり、伸び悩む時期があるものです。努力に見合った進歩がないと、やる気は失われ、学習を続けるのが嫌になります。

とくに、初心者のうちは、まだまだ英語が使えないレベルですから、使える楽しさをあまり体験していません。楽しさや進歩による充実感が得られないと、辞めてしまう事態になりかねません。

②空白の時間

さまざまな理由で、英語学習を一時期に中断しなければならないこともあると思います。集中的に仕事が忙しくなって勉強時間が十分にとれなかったり、家庭の事情で一定の期間仕事を休まなければならなかったりなど、いろいろな状況が考えられます。そのような空白の時間があると、かつてのような英語学習の意欲が持てなくなり、さらには学んだ知識が頭から抜け落ちるなどして、復帰が難しくなるでしょう。

③劣等感

一人で英語を勉強するのとは違い、企業の英語研修などでは複数の人が同時に学習していきます。当然、人によって上達に差が出てきます。人と比べて自分の上達のスピードが遅いとき、劣等感を覚えてもおかしくありません。もちろん集団での英語学習は、勝ち負けの場などではないのですが、消すことのできない劣等感で研修から脱落する人も出てきてしまいます。

 

伸び悩みによる脱落の解決 ~理由の把握と学習法の点検

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さて、これらの問題を解決するにはどうしたらよいでしょうか。まず、伸び悩みですが、伸び悩むには理由があるはずです。英語学習を坂道に例えると、その坂道は同じような上り坂が続くわけではありません。ところどころ急な坂が待ち構えています。その急斜面の手前では、誰もが上達スピードが落ちるものです。それまでとは違った一段階難しいことにチャレンジしているのであれば、伸び悩んで当然なのです。その場合は、地道な努力を続けていれば、時間はかかるにしても乗り越えられるはずです。

また、一定の上り坂を上っているときでも、伸び悩むことがあります。それは何か別の原因があるはずです。状況に応じて学習の仕方も柔軟に変える必要がありますが、それを怠っている可能性もあります。あるいはまったく別の外的要因が、本人の学習意欲を妨げているかもしれません。とくに急に難しいことを学習しようとしているわけでもないのに上達のスピードが落ちてきたら、いったん立ち止まって、自分の英語学習について客観的な視点から点検してみるとよいでしょう。

 

空白の時間による脱落の解決 ~最終目標を思い出す

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ある期間、英語を勉強する時間に空白ができてしまった場合は、どうすればよいでしょうか。空白によって意欲も知識も落ちてしまった場合、落ちたところからのやり直しです。坂道のたとえでいえば、100メートル下がったところからの再スタートです。一度上ったところをまた上がるのかと思うと、気分が滅入りますが、二度目に上がる坂道は緩やかな坂と感じるはずです。

残るは、それまで張っていた糸が切れた後のやる気の問題です。そもそも自分は何のために英語を勉強しているのか。その原点に何度も立ち返ってください。英語学習の最終目標を繰り返し思い出してください。とくにビジネス英語は、遊びで英語を学んでいるのではないはずです。その必要性を再認識して、立ち上がりましょう。

 

劣等感による脱落の解決 ~堂々と向き合い、受け入れること

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人と比べて自分の英語力が向上していないことに劣等感を抱いてしまった場合は、どう解決すればよいでしょう。人と比べるのはやめよう、と言えば簡単ですが、人間はそんな単純ではありません。

ほとんどの人が過去に劣等感を抱いた経験があるはずです。学生時代、勉強やスポーツなど、何かの点において人よりも劣っていることに悩んだことがありませんか。そのとき、どのように乗り越えてきたでしょうか。逃げることなく劣等感に正面から向き合い、それを受け入れるしかなかったはずです。英語学習においても同様です。自分が劣っていることを事実として受け入れ、自分を基準とした物差しで英語の進展を測っていくのです。

 

今回は、企業の英語研修から脱落する3大障壁と克服方法に関してご紹介しました。参加者をつなぎ止めるヒントとしてご参考にしていただければと思います。

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執筆者:森 弘之(もり ひろゆき)
AllAbout日常英会話ガイド 
担当テーマ:日常英会話東京都立大学  教授(理学博士)  

 英会話への第一歩は英会話学校通い。学部生時代には大学を休学し、米国へ語学留学。その後も米国の大学に研究員として2年間在籍。仕事の性格上、海外の研究者らとの交流も多く、コミュニケーションの道具としての英語の重要性を痛感する毎日。日本人の英会話力の欠如は、国際的な学会、研究会でも際立っていることに憂慮しており、その理由にも高い関心を持っている。

 

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