「中学・高校・大学で10年間英語を勉強したのに、話せるようになっていない」といった英語教育批判を聞いたことがあるかもしれません。

 

確かに10年間英語を勉強したかもしれません。ただ、「その10年間の中で、自分が言いたいことを英語で話したのはどのくらいか」を考えてみると、「ほとんどない」という方が大多数ではないでしょうか。ほとんど話さずに話せるようにならないと嘆くのは、ひまわりの種を机の上に置いておくだけで「ひまわりが咲かない!」と嘆くようなものです。

 

今回は手軽にできるスピーキング力の高め方についてご紹介します。

インプットからアウトプットへの流れを作る

 

ICレコーダー英会話レッスンは、レッスンの中で英語を学び、会話力を高めるために効果的です。しかし、レッスンを受けているだけでスピーキング力を高めるのに十分かというと、そうではありません。もちろん、レッスンは効果的ですが、教材を使うレッスンの場合、ロールプレイの側面が強いのが特徴です。「どのような場面で、どのような表現を使うか」を練習することはできますが、フリートークやディスカッションのように自分の意見を伝えるなどの自発的なスピーキングとは異なります。そこで、英会話レッスンや独学で理解した表現を自分の表現として使える仕組みを作る必要があります。

英会話レッスンを含む学習においては、インプットして理解したからといって、そのまま使えるというわけではありません。もちろん、使い方を知らなくては使えるようにはならないため、レッスンを通して使い方を学びます。こうして、使い方を身につけることができます。これを、インテイクと呼び、理解したものを定着させる作業ことを意味しています。音読が効果的なのは、インプットしたものをインテイクに転換することができるためです。しかし、まだアウトプットの力にはなっていません。

そこで、自発的に考えて話す「アウトプット」を組み込むことが大切です。ひとりで手軽にできるアウトプットが「独り言」や「ボイスダイアリー」です。「独り言」であれば、歩きながら1日の計画を実際に声に出したり、周りに人がいる場所であれば頭の中だけで声に出したりすることで、アウトプットの練習ができます。たとえば、今日は朝からレポートを提出しなくてはいけないとしましょう。

I need to send the report to Takeda-san first thing in the morning today. She’ll probably give feedback to me by the end of the day.

のように話すことで、学んだ表現を自分事として使う練習ができます。ボイスダイアリーでは、1日の終わりにその日を振り返りながら、ICレコーダーやスマホのボイスレコーダーに録音しながら英語を話します。録音して記録に残せるため、英語力の伸びも自分で確認することができるのでオススメです。ひとりで話すのはちょっと・・・という場合は、英語学習をしている同僚と2~3人でオンラインや対面で話す場面を作るのもオススメです。

Accuracy(正確さ)vs Fluency(流暢さ)


正確さと流暢さ
上のようなご提案をすると、必ず次のような反応があります。

「独りまたは日本人同士で英語を話しても、自分が話している英語が正しいかどうかわからないし、相手の間違った英語を聞いても勉強にならない」

確かに、自分の英語も相手の英語も正しいかどうかはわかりませんし、おそらく間違いは含まれているでしょう。しかし、こうして英語を話す目的は、Accuracy(正確さ)の追求ではなく、Fluency(流暢さ)の追求にあります。「自分が言いたいことを英語で言う」という体験の中で、アウトプットの力が養われていきます。

そもそも、私たちは日本語であっても、最初から間違いなく正しい使い方をしてきたわけではありません。ある時点で、正しくない使い方をしていることに気づき、その都度直すことで正しい日本語表現を使えるようにしてきたのです。「量と質」で言えば、日常的に英語を話すのは「量」です。この量を通して、流暢さを磨けるのです。

 

一方で、レッスンを受けたり、教材で学習したりするのは「質」を高めるためです。「レッスンで正確さを」「日常で流暢さを」という意識で取り組むことで、「10年英語を勉強してまったく話せない」というものが、「3カ月の勉強で3カ月分は話せるようになった」という状態にすることができます。

まとめ

 

会議インプット→インテイク→アウトプットの流れができると、インプットの質が変わってきます。アウトプットが基準となることで、インプットしたときに自分の英語との「ズレ」に気づくことができます。文法的なズレ、使用する単語のズレ、発音のズレ、など様々なズレが生じますが、この「ズレ」の調整を行うことこそが、「上達」です。インプットしたときに、「自分の使い方は間違っていたな」と気づくことで、自ら修正することができます。

 

スピーキングはネイティブスピーカーがいなくてはできないわけではありません。自分が言いたいことを英語で言う環境を作ることで、手軽にスピーキング力を磨くことができます。これを個人に委ねるだけでなく、社内サークルのような形で取り入れることで、日本人同士であっても英語で話す文化を醸成することもできます。

 

 

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rj_189_プロフィール画像最新著者:早川 幸治 氏
株式会社ラーニングコネクションズ 代表取締役 
SEから英会話講師へ転身。その後、TOEIC対策を中心とした英語セミナー講師として、これまで大手企業からベンチャー企業まで全国約200社での研修を担当してきたほか、大学や高校でも教える。脳や心の仕組みを活用した学習法を提唱し、上達の本質を英語学習に応用している。高校2年で英検4級不合格から英語学習をスタート。苦手意識を克服した後、TOEIC 990点(満点)、英検1級。著書に「TOEICテスト 書き込みドリル」シリーズ(桐原書店)、「TOEICテスト 究極のゼミ Part 3 & 4」(アルク)、「2カ月で攻略!TOEIC L&Rテスト 730点!」(アルク)など50冊以上。雑誌連載のほか、企業における学習コンサルティング、セブ島留学TOEICプログラム監修、日本語プレゼンテーション(伝える技術)研修も担当。2011年5月から毎日英単語メルマガ「ボキャブラリーブースター」を配信中。

株式会社ラーニングコネクションズ http://www.learningconnections.co.jp/

 

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