私は、特に若いビジネスパーソンにはスピーキングテスト対策が成長のために非常に有効です。本気で英語のアウトプット練習をして、テストでその成果を可視化している人はビジネススキルもどんどん高まると思っています。本日はそう考える理由である「英語スピーキングテストで求められる力とビジネスパーソンに求められる力の関連性」についてお話しします。



多くの英語テストは「思考力」と「説明力」も測っている
分析多くの英語スピーキングテストは、単語力や文法力といったいわゆる「英語力」のほか、話し手の思考回路と説明力も測っています。意見を述べる質問に答えるためには、(1) 理論的に考える思考力 (2) 聞き手にわかりやすい構成でメッセージを組み立てる構成力 (3) 英語で説明する英語力 の3つが必要になります。場合によっては (4) データを分析するといったビジネススキル も必要です。

例えば、Linguaskill BusinessやGCASといった英検協会さんが運用しているテストでは図表を説明して、プレゼンテーションをするようなタスクが組み込まれています。これらの力は全てビジネスパーソンに必要とされているスキルです。

英語の学習には単語帳で英単語を覚えたり、文法書を何度も読んで文法ルールを理解する努力をすれば良いと思っている学習者が多いのですが、それだけでは意見や説明文を述べる力は付きません。これらの練習は前述した4つのスキルのうちのわずか1つのスキルのみに焦点を当てているだけだからです。

英語のスピーキングテストやライティングテストを定期的に受検することで、ビジネスに必要な説明力が身についているかどうかも合わせて確認することができるため、「テストでその成果を可視化している人はビジネススキルもどんどん高まる」と考えます。



英語のスピーキングテスト・ライティングテストで良い結果を出すために必要な練習
英語練習スピーキングテストやライティングテストの学習で非常に大切なのは「英語の話し方」つまり話の構成方法を学び、定型表現を自由自在に使いこなせるようになること、そして丁寧に言語化して説明する力を伸ばすことです。英語には明確な話の構成があります。メールにもプレゼンテーションにも提案方法にも「型」があるので、話し手はその規範に基づいて細かく説明をしていく必要があります。スピーキングテストとライティングテストに説明力を問う問題が多いのは、この英語的な構成でアウトプットができるかどうかを測っているからです。

アウトプット型のテストで良い結果を出すためには、自分が受ける予定のテスト対策用の書籍やe-learningを活用して学ぶのが一番効果的ですが、一般的なプレゼンテーションの本などで学ぶことも可能です。プレゼンテーションはスクリプトを用意するものですから、わかりやすい構成の話し方を学ぶことにもつながります。

また、スライドをまとめることを通して、要点に沿って書く力も養うことができます。英語の書き方ルールに言及しているプレゼンテーションの本は多くあります。拙著『ロジカルに伝わる英語プレゼンテーション』でもライティングルール、スピーキングルールをたくさん提示しています。考えを整理してアウトプットしていくトレーニングをすることがスピーキングテストの受験準備のために必要なステップです。

体系だったアウトプット力を伸ばしていくと、言語を問わず、ビジネスにも役立ちます。日本でもビジネスにおいては結論から述べることが大切とされています。これは英語の構成と全く同じです。アメリカの小学校ではよく「OREOで話しましょう」という指導がされています。OREOは以下の頭文字です。

Opinion 意見を伝える
Reason  理由
Example 具体例や詳細
Opinion  最後にもう一度意見を伝える

ビジネスシーンで言われている「結論を最初に!」という考えに沿っていますよね。このように、英語のアウトプット型テストとビジネススキルは関連性が高いのです。



文化の違いからくる言葉の使い方の違いも認識しよう
異文化英語圏の言葉の使い方に対する考え方は日本語話者の考え方と少々異なります。英語においては話し手に「わかりやすく話す義務」があります。また、聞き手も「わからなければ聞くのが義務」です。日本では「あの人、空気が読めないよね」と言うことがあるように、察することが求められることがしばしばあります。

しかし欧米文化には日本のように「察する文化」はありません。英語圏の文化は一般的にlow-context culture、つまり「コミュニケーションにおいて言語が担う役割が非常に高く、明示的に説明しなくては伝わらない文化」です。これに対して日本の文化は非常にhigh-context cultureだと言われています。「空気を読む」「察する」といった表現があることからわかるように、言葉に依存することなくコミュニケーションをとり、適切に振る舞うことが求められています。

文化が異なるので、日本語話者が英語でコミュニケーションをとるときに「あまり丁寧に説明すると当たり前のことを言っていると思われないかな」と感じたり、「聞き返すことは失礼にあたらないかな」と心配してしまうことあります。もちろんしつこく何度も同じことを言わせていては嫌がられるかもしれませんが、欧米人は双方が話を伝える責任、理解する責任をもっている認識がありますので、過度に心配することはありません。

考えを丁寧に言語化して伝えることこそがグローバルパーソンに求められていることです。ぜひスピーキングテストやライティングテストを活用して、英語力のみならず「説明力」ひいては「高いコミュニケーション力」を高めていくように意識してください。

 

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■スピーキングについて

・<企業研修における英語力育成戦略> 中上級者のLinguaskill Business Speaking対策

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・<法人向け英語研修>副詞の場所に注意を向けて、自然な英語を話そう!

・<法人向け英語研修>動詞のニュアンスを伝えるのに必要な助動詞をマスターしよう!

・英語教材の活用法~辞書を使って学習効果アップ~ Part 2: スピーキング・ライティング編

 

執筆者:江藤 友佳(えとう ゆか)
Y.E.Dインターナショナル合同会社CEO 

クレアモントマッケナ大学卒業後コロンビア大学大学院ティーチャーズカレッジで修士号を取得。大学時代に故ピーター・ドラッカーの授業を受け、組織開発に興味を持ち、PwCコンサルティングに入社。HR部門への異動が叶わず、人材育成に関わることもできる研修業界へ転職を決意。株式会社アルクで教務主任として多くの教材作成や企業研修、教員研修を担当した後に、楽天で英語化プロジェクトのco-leaderとして社員教育に従事。英語教育事業部の立ち上げ支援後に独立し、現在は教材制作の下請けやアドバイザリーサービスを提供している。

著書:『ロジカルに伝わる英語プレゼンテーション』『英語の数字ルールブック』『ビジネス英語リーディングの技術

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