英語が十分に上達していない段階でもビジネスは待ってくれません。英語を流暢に話せない社員が商談の場に臨むこともあるでしょう。商談が迫っている社員に英語の技術を身につけさせようと、通常の英語研修を行っても間に合うものではありません。しかし、英語が下手でもポイントを押さえておけば、商談の成功率も上がります。英語の技術以外に、商談で英語初心者が気をつけるべき点を考えてみましょう。

 

ビジネスは待ってくれない

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ビジネス英語を習う人たちは、身につけた英語力をビジネスの場で生かすことを目的としています。ビジネスの場とは、たとえば外国人を交えた商談であったり、英文メールのやりとりであったり、外国人相手のプレゼンテーションであったりしますが、日々の仕事はつねに動いており、いつこのような場に身を置くことになるか予測不能です。

ほかの習い事であれば、ある程度スキルが向上してからそれを生かす場に臨むのが普通です。同じ英語学習であっても、たとえば外国人の友達を作りたいという動機で習っている人は、習いたてでいきなり友達探しを始めるわけではなく、コミュニケーションが多少は取れるという自信がついてから友達を探し始めるはずです。

ところがビジネスに使う目的で英語学習をしている人は、そうはいきません。まだまだ実力がついてないと自覚していても、英語を使わなければならないビジネスの場は待ってくれません。英語が十分に話せないのに、商談が来週に迫っている。そんなときはどうしたらよいのでしょう。

 

英語力は急には上がらない

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言うまでもありませんが、どんなに重要な商談が迫っていようが、短期間で英語力を上げる魔法のような学習法や英語研修法などありません。そのようなものがあるのなら、とっくに誰もが採用しているはずです。したがって、英語の商談に向けてハイスピードで英語研修を行っても、英語の実力はわずかしか上がらず、それだけでは商談を成功に導くことはできません。では、当たって砕けろの精神で、やぶれかぶれで商談に臨むのがよいのでしょうか。もちろんそれでいいわけがありません。

 

急な英語の商談で何を心がけるか

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では、英語で商談を行うとき、何を心がければよいのでしょう。気をつけるポイントは2つです。

 

1.相手を知る

相手はどこの人でしょうか。欧米なのか、アジアなのか、あるいはアフリカ、中東、南米でしょうか。ただしここで重要なのは相手の国ではなく、文化背景です。たとえば日本人が背負う文化は、謙譲が徳とされることも多くありますが、欧米では謙虚な態度が損につながることもあります。一方でアジアの人は、必ずしもぐいぐい押されるのを好まないタイプも多いでしょう。個人の性格もあるので、実際には会ってから敏感に察知する必要がありますが、事前に情報を得ておくのも大切です。とくに、すでに対面したことのある人が社内にいれば、様子を聞いておくことは効果的です。いずれにしても、英語以前の問題として、どのような態度で相手と対峙するかを、あらかじめしっかり練っておく必要があります。

 

2.緊張を和らげる

 英語が未熟であることを自覚していると、その不慣れな英語を使って話さなければならないという場面では、どうしても緊張しがちです。せめて緊張を解きほぐせれば、下手な英語をカバーするだけの度胸も据わることでしょう。緊張を抑える方法の一つは、緊張したときに現れる症状を意図的に封じ込めることです。たとえば人は緊張すると早口になったり声がうわずったりします。もちろん不慣れな英語なので早口になりようもありませんが、早くしゃべろうという強い思いがあるために焦りが出てきてしまいます。そのため、意識してゆっくり話したり、あえて低い声で話したりすると、自分に対して「自分は落ち着いている」と思い込ませることができます。

 

非常手段を用いつつ、継続学習を心掛ける

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以上は「待ったなし」のビジネスの現場で急場をしのぐための方法ですが、英語学習の本来の目的は、冒頭に書いたように、身につけた英語力をビジネスの場で生かすことです。ビジネスの場で急に英語が必要になり、英語力以外の技術でなんとか切り抜けられたとしても、そこで安心してはこの目的が達成できません。

「備えあれば患いなし」、一定のペースで社員に英語学習を継続させることが、将来を見据えれば何より重要です。また、英語が向上する途中段階で実際にビジネス英語を使ったやりとりを重ねることで、社員が自身の英語力に関する新たな課題も見つけられるはずです。その経験を英語学習に生かしてもらえれば、さらなる上達につながるでしょう。

 

森弘之様_写真_掲載用

執筆者:森 弘之(もり ひろゆき)
AllAbout日常英会話ガイド 
担当テーマ:日常英会話東京都立大学  教授(理学博士)  

 英会話への第一歩は英会話学校通い。学部生時代には大学を休学し、米国へ語学留学。その後も米国の大学に研究員として2年間在籍。仕事の性格上、海外の研究者らとの交流も多く、コミュニケーションの道具としての英語の重要性を痛感する毎日。日本人の英会話力の欠如は、国際的な学会、研究会でも際立っていることに憂慮しており、その理由にも高い関心を持っている。


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