日本の学校では、漢字のつくりを学びます。部首を小学校で学び、さんずいが付いていたら、水や液体に関する意味のある文字だろうと推測することができるようになります。英語でも接頭辞がヒントになることが多々あります。この記事は日本の学校ではあまり教えられることがない接頭辞についてです。
ネイティブは「国語」の授業で学んでいる「英単語が覚えられない!」という悲鳴は日本の学生たちの間のみであがるわけではなく、実は大学受験のための単語暗記にネイティブも苦労しています。アメリカでは最近、テストスコアで学生のスキルを見るのを止める風潮があるため、共通試験のような役割を果たしてきたSATスコアの提出が必須ではなくなりました。きっとほっとしている学生がたくさんいます。
なぜなら、このSATの「国語」で出る単語は日頃は見聞きしないものが多く、単語帳を持って受験用に単語暗記に苦しむ学生がたくさんいたためです。私立の中学校や高校受験を受験したい子供たちも「共通試験」があるので、自分たちの日常生活では出会わない単語問題に、今この瞬間もきっと悩まされているでしょう。
そんな子たちが受験塾に通うと「勘で正解を選べるスキル」を身に付ける指導をしてくれます。その指導の一つが接頭辞の暗記です。漢字の部首を覚えるのと同じで、接頭辞と接尾辞を覚えておくと、勘で正解を見つけやすくなります。英語学習者のみなさんもこのスキルを身に付けると、新しく出会った単語の雰囲気を感じるとることができるようになり、辞書をひいたあとは単語を覚えていやすくなります。
接頭辞の由来はさまざま多くの接頭辞はラテン語由来なのですが、中にはそうではないものがあります。たとえば、「1つの、単一の」を表すはラテン語由来の接頭辞はuniです。unicycleと言えば「一輪車」のこと、uniformと言えばみんなに統一した1つのフォーム(形)を与えるもの、つまり「制服」のことですね。
同じく「1つの、単一の」を表すmonoはギリシア語由来。monotoneは1つの色を表す「単色」の意味(白黒という意味もあります)、monorailは1つの線路を使う「モノレール」のことです。このように、由来はいろいろありますので、興味を持てる場合はぜひその接頭辞の成り立ちから学ぶとおもしろいです。
「そんな余裕はないから、とにかく意味だけを覚えたい!」という人のほうが多いでしょうから、接頭辞とその接頭辞がつくたくさんの単語をまとめて覚えて、納得感を得るというだけでも問題ありません。
接頭辞・接尾辞例
以下は、私が「覚えておくと単語の意味を推測しやすくなる」と考える接頭辞と接尾辞です。
出典: 『ビジネス英語リーディングの技術』(江藤友佳著 / クロスメディア・ランゲージ)p. 123より
接頭辞を知っていると単語暗記がしやすくなりますので、暗記のペースアップを感じられるはずです。また、接頭辞に限らず、文字列が単語にいろいろなところに入っていてもヒントとして認識できるようになるためには、語源に着目すると楽しいです。語源辞典のような本もありますし、もっと楽しく学びたいなら、『英語の語源大全: 365日、頭と心がよろこぶ100の驚き!』(三笠書房
といった本を手に取ってもよいでしょう。
多くの方が「辛い」と言う単語学習ですが、少しでも楽しく覚えられるように工夫してくださいね。
■英語学習法
・単語学習のコツ
・ビジネス英会話に頻出する英数字
・音源のない教材を使ったスピーキング練習法
・AIアシスタントを活用したEメール練習法
・英文法嫌いは改善する必要があるの?
・ビジネスパーソンは受動態の用法を攻略せよ!
執筆者:江藤 友佳(えとう ゆか)
Y.E.Dインターナショナル合同会社CEO
クレアモントマッケナ大学卒業後コロンビア大学大学院ティーチャーズカレッジで修士号を取得。大学時代に故ピーター・ドラッカーの授業を受け、組織開発に興味を持ち、PwCコンサルティングに入社。HR部門への異動が叶わず、人材育成に関わることもできる研修業界へ転職を決意。株式会社アルクで教務主任として多くの教材作成や企業研修、教員研修を担当した後に、楽天で英語化プロジェクトのco-leaderとして社員教育に従事。英語教育事業部の立ち上げ支援後に独立し、現在は教材制作の下請けやアドバイザリーサービスを提供している。
著書:『ロジカルに伝わる英語プレゼンテーション』『英語の数字ルールブック』『ビジネス英語リーディングの技術』
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