スピーキングテスト受検のすすめ

英語学習に関するさまざまな情報を、学習者がSNSなどに掲載しています。それらを読むと、多くの方が「インプットだけでは足りない。アウトプットもしないと!」という意識に変わっているように思います。非常に喜ばしいことだと思いますが、リスニングテストやリーディングテストを活用した学習だけではどうしてもインプットが多くなりがちです。

「わかってはいるけれど、スピーキングを重視できていない……」と自覚のある方は、いっそのこと、ご自身の学習サイクルに「定期的なスピーキングテストの受検」を組み込んでみてはいかがでしょうか。

まずは半年に1回の受験で十分でしょう。半年でどれだけ自分のスピーキング力が伸びたかを知ることで、テストに向けて学習しようという意欲が高まりますし、学習成果が可視化されて励みになります。

日本でよく知られているスピーキングテストはTOEIC® Speaking Testです。その他にも様々なスピーキングテストがありますが、それぞれに特徴があり、受検してみると難しく感じるテストもあると思います。実際に、学習し始めの時期にスピーキングテストを受検した方から、期待したような結果が出なかったと報告を受けることもあります。自身のレベルと合わないテストを受検することで、英語学習のモチベーションが下がってしまうこともあるでしょう。だからこそ、テスト選びは大切!

今回は、初級者に向いたテストであるCASEC Speaking Testをご紹介します。

初級者におすすめ!CASEC Speaking Test

CASEC Speaking Testの特徴は、日本人が学校や英会話スクールで学んだことがありそうな内容に特化しており、CEFR A1~B1の判定を出してくれること。つまり難易度が初級者向けであり、「質問もやることもわからないし、テスト中に全く何も言えない!」というようなことが起こりにくいテストです。「英語が得意ではない」と思っている、日本で英語を学習してきた方にもってこいのテストです。

 

Part 問題数 内容
1.定型文応答 2問 定型表現を知っているかどうかを測られます。「ありがとう」「おめでとう」「ごめんなさい」「今、何時?」「おはよう」などの基本表現を言います。
2.短い質問に答える 2問 Do you like beaches or mountains? といったA or Bという質問や何時に寝ましたか?のような答えを考え込むことのない質問に答えます。
3.自分の好み・予定・過去の活動を伝える 2問 Part 2に似ている質問が出ますが、具体的に自分の好みの理由や行動内容を伝えます。いくつかの文を続けて話します。ここから過去の話も入りますので、動詞で時制を適切に表現できるかも測られます。
4.ロールプレイ 2問 ホテルでのやり取り、お店でのやり取りなど、例えば海外旅行をしたときに困らないために必要な最低限のやり取りができるかを試されます。状況を簡単に伝えたり、要望を伝えたりする力が必要とされています。
5.描写説明 2問 絵に描かれていることを伝えます。まずは「何の場面か」を伝えてから、個別の描写ポイントを伝えると良いでしょう。
6.意見を述べる 3問 I think eating organic food is healthy. What do you think?といった質問に答えます。一般的によく聞かれる意見が提示され、あなたはどう思うかを伝えますので、その意見に同意するか同意しないかを伝え、その理由を述べると良いでしょう。

上記の内容を見ると、TOEIC® Speaking Testの前半で登場する描写問題が出てくるのはPart 5、つまりこの試験の後半だとわかります。また、意見を述べる問題が出てくるのもPart 6。CASEC Speaking Testでは初級者を意識して、Part 4まではかなりシンプルなタスクが提示されているのが印象的です。

 

学習方法のヒント

Part 1とPart 2は、文部科学省の指定するカリキュラムの小学校で行う内容に似ています。英検3級の2次試験(面接)の内容にも非常に似ていますので、Part 1とPart 2は中学校英語のテキストで練習をすると良いでしょう。文法的な力はあまり求められていないパートですので、「ひとこと返し」ができるように練習をすれば大丈夫です。Part 3、Part 4は、よくNHKの初級者向けの講座で扱っているような内容です。

CASEC Speaking Testを受ける前に1か月くらいNHKの英語講座で会話場面などを見ながら基本表現を復習すると良いでしょう。Part 5とPart 6は英検準2級の2次試験(面接)の内容に非常によく似ています。面接対策の本をお手にとって練習してみてください。なお、私も英検準2級の面接対策本を出版させていただいておりますので、ご参考になりますと幸いです。

 


江藤マンガ-1「マンガで合格のこつがわかる」英検®準2級 二次試験・面接 完全対策 (ジャパンタイムズ出版)

試験構成は、後半にいくにつれて難易度が上がっていくようになっています。今のあなたがどこのパートまでスムーズにできそうかを基準にして、どのような教材を手に取るかを決めてください。

NHKの講座は日本の英語教育カリキュラムを意識して作られている講座が多いです。このCASEC Speaking Testも同じことが言えます。そのため、初級者向けのNHK英語講座をいろいろと見てみて、お気に入りを見つけるのが良いかもしれません。長期的なスピーキング力育成計画を立てるために、NHKのウェブサイトを参考にするのもいいと思います。

スピーキングテストを定期的に受験することで、自分のモチベーションも英語力も共に向上できますので、ぜひ受験を検討してみてください。中上級者はぜひTOEIC® Speaking TestVersant Speaking Testにチャレンジしてみてくださいね。

CASEC Speaking Test詳細 >> https://speaking.casec.jp/promotion/

 

 

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■スピーキングについて

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・英語教材の活用法~辞書を使って学習効果アップ~ Part 2: スピーキング・ライティング編

・スピーキングテスト・ライティングテスト対策がビジネスに役立つ理由

 

執筆者:江藤 友佳(えとう ゆか)
Y.E.Dインターナショナル合同会社CEO 

クレアモントマッケナ大学卒業後コロンビア大学大学院ティーチャーズカレッジで修士号を取得。大学時代に故ピーター・ドラッカーの授業を受け、組織開発に興味を持ち、PwCコンサルティングに入社。HR部門への異動が叶わず、人材育成に関わることもできる研修業界へ転職を決意。株式会社アルクで教務主任として多くの教材作成や企業研修、教員研修を担当した後に、楽天で英語化プロジェクトのco-leaderとして社員教育に従事。英語教育事業部の立ち上げ支援後に独立し、現在は教材制作の下請けやアドバイザリーサービスを提供している。

著書:『ロジカルに伝わる英語プレゼンテーション』『英語の数字ルールブック』『ビジネス英語リーディングの技術

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