「もっとまじめに英語に取り組めばよかったって、今では本当に後悔しています」という社会人の方のお話をお伺いすることが多いのですが、いつもお伝えするのが「大丈夫です!今からでもグンと英語力は伸びますよ!」ということ。

ただし、幼児期に英語を学ぶのと大人になってから学ぶのでは学習プロセスが異なります。大人に合った適切な学習ステップを踏むことで英語の習得をスピードアップできますので、適切なステップを意識しましょう。

STEP 1 :音と文字のつながりを完璧にする

study-english
幼児の学習と就学後の年齢が高めの子や大人たちの一番大きな違いは、幼児には「音から学ばざるを得ない」という限界があることです。読み書きのできない幼児は音から全てを学びます。そのため、音を完璧に聞き取る力が備わっています。小さい子が発音上手なのは音に対するアンテナの感度が抜群だからです。しかし文字を読み書きできる年齢を過ぎると、だんだんと音を的確に把握する能力が衰退してしまい、代わりに文字を通した学習が可能になります。文字を使って、音を記録していくことができるのが大人の学習の最大の武器です。

この武器を最大限に利用できるようになるためには、音と文字を脳内でつなげる必要があります。これがいわゆるフォニックス学習で、ネイティブの子供たちが学ぶ文字と音のルールのことです。多くの日本の大人は、ローマ字の知識により、本来の英語の音と文字のつながりを誤認識し、英単語を正しく理解することが阻害されてしまっています。まずはローマ字ではなく英語ならではの音を習得するために、1つ1つの文字と音の回路を作り直しましょう。

例えば、oの発音をオだと思っている方がほとんどですが、アメリカ英語ではアの発音となります。tionは日本語ではションと書かれますが、実際の発音はシャンのような感じです。正確に音を捉えなおす練習をすることで、リスニング力とスピーキング力の基盤ができます。子供向けの教材ですが、私の教室向けのオリジナル教材はこちらで無料公開していますので、よかったらお役立てください。

STEP 2: 単語を学ぶ


english-words
音と文字の回路を脳内に作るのと並行して、単語学習を進めましょう。英検に合格したい、TOEICで500点をとりたい、といった特定のテストを活用して早めにクリアしたい学習目標があるならば、そのテストに合った単語を学びましょう。特に明確な目標がない場合は、日本のカリキュラムに合わせた学習をして、日本の教材を使いこなす準備をするか、ネイティブの子供たちのカリキュラムに合わせて、リアルな英語を読めるようにしていくかを選ぶと良いでしょう。「日本のカリキュラムはネイティブのカリキュラムと同じではないの?」と思うかもしれません。実はかなり違います。

ネイティブの子供たちはsight words「サイトワーズ」を学びます。sightは「視覚」を意味し、パッとみてすぐにわかるようになっておきたい単語のことを意味します。フォニックスのルールでは読みづらいものや、小さい頃から覚えておきたい頻出単語が含まれています。Dolcheリスト(220単語)とFryリスト(1000単語)があり、Fryの1000単語を覚えると、科学誌などの専門的なものを除き、ネイティブが日頃読む新聞記事や雑誌記事などの最大9割、平均的には50-75%が読めるとされています。つまり、まずは1000単語を覚えてしまえば、インターネット上にあるいろいろなウェブサイトの英語を初見でも半分くらいは読めるようになるわけです。そういう意味で、リアルな英語に触れていきたい場合は、sight wordsを覚えてしまったほうが、日本の中学生が学ぶ単語を覚えるよりも近道です。

1000単語のうち、最初の300単語は私の教室用の教材を無料公開していますので、こちらもご活用ください。結構知っている単語が多いかもしれません!1000単語の一覧はさまざまなウェブサイトで公開されています

STEP 3: 徹底的に練習を続ける
teacher英語の音と文字の回路ができ、基礎単語を覚えたら、あとはたくさん英語に触れていき、覚えて、そして使う練習をしていくだけ。読む力をつけたい場合は、ウェブサイトを読んで学習するとお金もかかりません。しかも、今はplug inを入れることで、ウェブサイトを自動翻訳できます。またはコピー・ペーストしてかなり質が高まっている無料翻訳ツールのDeepLに入れても良いでしょう。興味のある記事を英日で表示しながら、知らない単語や構文を紐解いていく地道な作業をしましょう。

持ち込み素材を元にレッスンをしてくれる先生がたくさんいますので、ときには「どうしてこういう訳になるの?」「この訳、合っているの?」と思ったときに先生にサポートを依頼しても良いでしょう。ネイティブの先生よりも細かい英日のニュアンスの違いを教えてくれる日本人のバイリンガルの先生が説明を依頼するのには適していることが多いです。

話す練習をしたいときはバイリンガルの先生でもネイティブの先生でも、目的に合っていれば良いと思います。力試しをしたい!というときにはネイティブの先生にレッスンを依頼し、どれくらい先生の話を理解できたかや、どのくらい先生が自分の発話を理解してくれたか、つまり、自分がどれくらい通じる英語を話しているのかを把握することができます。いくつかの表現の違いや使い分けについて日本語で解説を聞きたいときには、バイリンガルの先生に質問をすると日本語でわかりやすく説明してくれるのではないでしょうか。このように、学習目的に合わせた学習を続けることが上達の秘訣です。

 

 

『圧倒的低コストで成功率90%!完全WEBで実現する英語スピーキング最強メソッド』

セミナーレポートはこちら

 

■英語学習法

・単語学習のコツ
・ビジネス英会話に頻出する英数字
・音源のない教材を使ったスピーキング練習法
・AIアシスタントを活用したEメール練習法
・英文法嫌いは改善する必要があるの?
・ビジネスパーソンは受動態の用法を攻略せよ!
・TOEIC® 200点台の方向けアドバイス
・英字新聞を英語学習に活用しよう
・TOEIC Part 5 品詞問題をマスターしよう

 

執筆者:江藤 友佳(えとう ゆか)
Y.E.Dインターナショナル合同会社CEO 

クレアモントマッケナ大学卒業後コロンビア大学大学院ティーチャーズカレッジで修士号を取得。大学時代に故ピーター・ドラッカーの授業を受け、組織開発に興味を持ち、PwCコンサルティングに入社。HR部門への異動が叶わず、人材育成に関わることもできる研修業界へ転職を決意。株式会社アルクで教務主任として多くの教材作成や企業研修、教員研修を担当した後に、楽天で英語化プロジェクトのco-leaderとして社員教育に従事。英語教育事業部の立ち上げ支援後に独立し、現在は教材制作の下請けやアドバイザリーサービスを提供している。

著書:『ロジカルに伝わる英語プレゼンテーション』『英語の数字ルールブック』『ビジネス英語リーディングの技術

---------------------------------------------------------------------------

Click me

 

Smart Habit Enterpriseの資料ダウンロードはこちらから